世界は恢復する

2022年5月16日月曜日

★グリフィンと欠落の姉妹編 マジカル後継者世帯

t f B! P L
こんにちはー。

本日は、また【グリフィンと欠落の姉妹編】ですー。

グリフィンは目醒め、弟・ロイヤルが軍の施設内に囚われていることを知りました。グリフィン自身も軍上層部からの信頼を失っています。いま彼ら兄弟の処遇は、グリフィンの振舞いひとつで左右されようとしています。そして……

それでは、本日もまいりましょう!



グリフィン「あなたがたの戸惑いを理解はする。その怯えを解くためにおれに出来るのは、あなたがたと話し続けることだと思う。おれを拘束しようと、おれの全身を調べ尽くして魔力を抽出しようと、あなたがたの疑念は消えない。言葉しかない。とにかく証言します。それを聴いて、おれが信ずるに値する人間か判断してほしい」

マルボロ「…………」

マルボロ少尉は指先でタバコを弄び、それをタバコ入れに戻しました。その唇から、笑いのような吐息が洩れました。


マルボロ「おもしろい。やはり、きみはきみだ」

グリフィン「…………。はい」

少尉は軍人らしく胸をそらして、

マルボロ「上層部は、きみの弟を解放することに消極的だ」

グリフィン「はい」

マルボロ「だがわたしは、きみの弟ではなく、きみひとりがわれわれと共にあればよいと思う

世界が明るく開けてゆく。

グリフィン「はい」

マルボロ「四十分待て。上に談判して手続きをする。きみの弟を解放しよう。責任はすべてわたしが取る」


こうして、ロイヤル・バーンウッドは無罪放免となりました。


彼は自分の足で軍の施設を出ると、ストレンジャービル中心部のわが家へ帰ってゆきました。

昨夜、基地内でグリフィンが闇のむこうへ走り去ってから、ロイヤルは兄の姿を見ていません。無事かどうかもわからない。ロイヤル自身が解放された時、兄がどこにいるか知らないかと軍人たちに訊いてみましたが、答えが得られるはずもなかった。


もしかしたら、ロイヤルより先に帰宅しているかもしれない。そんな薄い期待を抱いて、少年はとにかく自宅に戻ったのです。


ロイヤル「シャーロッタ、ただいま」

シャーロッタ「…………!ロイヤル様!


シャーロッタは洗濯物を投げ捨てるようにして駆けてきました。実際、桶のなかのせっけん水がまき散らされたし、シャーロッタ自身は脱帽することを忘れていました。


シャーロッタ「よかった……!ずっとロイヤル様の波動を感じていたので、ご無事とわかってはおりました。とにかくお入りください。お話はあとで……!」

ロイヤル「うん、ありがとう。……あのさ、グリフィン、は……?」

泣きそうなほど安堵していたシャーロッタの顔に、緊張が戻りました。ロイヤルのひとことで、彼女はすべて理解していました。

シャーロッタ「お帰りになりません。ご連絡もありません」

ロイヤル「そうか……」

シャーロッタ「けれど、シャーロッタはいまもグリフィン様の波動を感じております。グリフィン様はきっとご無事なのです。ロイヤル様とおなじように」

ロイヤル「うん、おれもそうだと思う」

シャーロッタ「さあ、お入りに!熱いコーヒーをお淹れしましょう……」

部屋に入ろうとして、ロイヤルは足を止めました。


ロイヤル「…………」

彼は行方知れずの兄を想いました。しかし、その胸のうちを語ることはありませんでした。


グリフィン・スノウフイールことグリフィン・トワイライトは、軍施設の中枢を担う責任者たちを前に、昨夜の事件について証言しました。


真夜中、施設の方角に切羽詰まった危機を感じて、自宅にいながら目を醒ました。そこから始まって「強力な悪意に呑み込まれつつあったイナを連れ戻そうと考え、転移(テレポート)の魔法を操る弟を巻き込んで駆けつけた」というところまでを二度三度。

ハウラ大佐「危険を感知した、ときみは言うが、きみはそれをどのように感じ取ったのだね?」

グリフィン「向こうがおれを名指ししました。黄昏の男、と呼んだ。その言葉はおれを表す」

ハウラ大佐「ふむ……。きみはその声を、どうやって聴き取ったのだね?」

グリフィン「魔力あるモノの声は、いまここではない別の世界(くに)から聴こえるように感じる。その瞬間、世界はふたつの層に分かれ、呼び声は第二層から湧いてくる。そう説明するのがいちばん近いと思う」


軍隊という【物質の世界】において、自分の話が【魔法的に聴こえすぎる】ことに、グリフィン自身も気づいていました。

グリフィン(現代の世界では、魔法というものがあまりにアウトサイドに置かれすぎている。おれたちの一族が森に姿を隠してから四百五十年、人びとはいまや魔法を理解できなくなってる)

グリフィン(物質の世界を生きる人びとが、魔法というものの輪郭をなんとなくでもわかるよう、魔力の世界を現代のことばに言い直していく作業が必要だ)


彼の前に、新たな道が拓かれつつあります。

指導者たちの部屋を辞して、グリフィンは今度は魔法対策班の研究室に向かいました。


証言を繰り返します。

真夜中、施設の方角に切羽詰まった危機を感じて、自宅にいながら目を醒ました。そこから始まって「強力な悪意に呑み込まれつつあったイナを連れ戻そうと考え、転移(テレポート)の魔法を操る弟を巻き込んで駆けつけた」というところまでを二度三度。

その日はそれだけで過ぎてゆき、気がつけば日没の時間でした。


マルボロ少尉は、グリフィンに言い渡しました。

マルボロ「当面、きみを帰宅させるわけにはいかない」

それはつまり、軍がグリフィンからすべての証言をしぼり取り、上層部がなんらかの納得を得るまで、グリフィンを放さないという意味でした。


グリフィンは密室に押し込められて鍵を掛けられ、今夜はそこで眠ることになりました。

グリフィン(イナはどうしたか)

しかし、それを考えるには今日という日があまりに長すぎた。彼はあまりに働きすぎて、くたびれすぎていました。

彼はとろりと目を閉じて、息をつきました。
あとはまたたく間に岸辺を離れて、眠りの国へ漕ぎだしてゆきました。

いま枕元には、彼がベッドに横たわる前に残したメモがあります。


【世界は恢復するだろう】

そう書かれていました。


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