世界だけが聴いている

2021年4月11日日曜日

★グリフィンと欠落の姉妹編 マジカル後継者世帯

t f B! P L
こんにちはー。

本日は、また「グリフィンと欠落の姉妹編」ですー。

三歳児の姿になってしまった旧友・イナを気に掛けるグリフィン。しかし、心を喪っている(あるいは、心を閉ざしている?)イナはグリフィンを認識せず、ふたりの会話は成立しません。一方で、グリフィンに姉の問題を託した「イナの妹たち」は今、どうしているのでしょうか……?今回は、ポートランド姉妹の動向を追いかけます。

それでは、本日もまいりましょう!



グリフィンが、小さなイナを訪ねて「妹の写真」を見せたのと同じ日……。
ポートランド家の邸宅では、イナの妹たちがコーヒータイムを過ごしていました。

ネモフィラ「アーモンド、お茶が入ったわよ。……ふふ、お茶というか本当はコーヒーなのだけど【お茶が入った】と言ったほうが、詩的な調べに聴こえるでしょう?」

アーモンド「うん……、ありがとう」

ネモフィラ「どうしたの?何か、考えていることがある?」

アーモンド「うん……」


アーモンド「…………。お姉さま、あの方はわたしたちの屋敷を去ったあと……どうされたかしら」

アーモンドの言葉はびどく漠然としていて、捉えどころのないものでした。それでもネモフィラは、妹の言いたいところを理解してほほえみました。

ネモフィラ「グリフィンさんのこと?」

アーモンド「うん……」



あの不思議な青年が訪ねてきた夜……あの夜の出来事は、姉妹にとっても忘れがたいものでした。


アーモンド「今になって、イナお姉さまの手掛かりに辿り着くなんて思わなかった」

ネモフィラ「手掛かり。……手掛かりって言うのかしら?あの方はお姉さまのことを調べてるだけで、あの方自身が何かを知ってる訳じゃなかったわ」

アーモンド「うん、そうね。でも、あの方はきっと、真実を掴むための【不思議な力】を持っている。わたしたちは今度こそ、イナお姉さまに出会えるかもしれない」

ネモフィラ「そうね。ずっと前、まだわたしが寺院の尼僧見習いだった頃、叔父さまがお見えになったことがあった……って言ったでしょう?」

アーモンド「うん」

…………。
…………。


叔父「……ネモフィラ、わたしだ。見習いのおまえの許へ、男であるわたしが訪れるのは気が引けた。だが、そうも言っていられない。面会の許可をとった」

ネモフィラ「とつぜんのお越し……一体どのような御用向きでしょうか」


叔父「単刀直入に言おう。旅行中、おまえの姉らしき娘を見た。あれが行方をくらませてからというもの、足取りを掴んだのはこれが初めてだ。おまえには伝えておこうと思う」

ネモフィラ「…………!!


叔父「イナらしき娘を見たのは、地方のとあるバーだった。彼女はひとりで飲んでいた。わたしが声をかけるべきか躊躇ったのは、彼女があまりにも変わってしまっていて、まるで【野良犬のような女】だったからだ」

ネモフィラ「そんな……何か、間違いでは……」

叔父「わたしが目にした光景を、おまえの瞳のなかに映してやりたいと思う。とにかく、わたしが躊躇っている間にバーのドアが開いて、見知らぬ子供がとびこんできた」


少年「姐(ねえ)さん、出るぞ!サツだ!」

叔父「それを聞くと、彼女は弾かれたようにスツールからとびおりて、店を出て行った。【お代を!】そう叫んだ店主に彼女は、聞くに堪えない呪いの言葉を吐き捨てた。その声は間違いなく、かつてわたしたちが親しんだイナのものだった」

叔父「……これが、わたしが目にした光景のすべてだ。ネモフィラ、憶えておくべきだと思う。イナは、わたしたちとは別の世界の住人……裏の世界の女になってしまったようだ」

…………。
…………。

ネモフィラ「叔父さまは、わたしに【アーモンドには話すな。あの子は、まだ幼い】と、念を押したわ。でも、わたしはすぐに寄宿学校に手紙を出して、叔父さまのお話をそっくりそのまま、あなたに伝えた。なぜなら、わたしとあなたは


ネモフィラ&アーモンド「いつだって、一心同体だから。わたしたちはもう、たったふたりになってしまったから

アーモンド「そして、グリフィンさんがイナお姉さまのことを調べに来た時……わたし、あの方がおまわりさんなんじゃないかと思って怖かった。イナお姉さまがついに警察に捕まって、それで屋敷を調べに来たんじゃないかって」


ネモフィラ「そうではない、あの方もまた、お姉さまの足取りを追っている……そう知ったあとも、わたしたちはあの方に、叔父さまの話を伝えなかった。それがお姉さまの居所を掴む手掛かりになるかもしれないと、分かっていたはずなのに」

アーモンド「なんだか不確かな話だし、伝えるべきじゃないと思ったから」

ネモフィラ「お姉さまが堕落してしまったと、信じたくはなかったから」

ネモフィラ&アーモンド「イナお姉さまがいない今、ふたりで立ち向かわなければならないけど、それはとても難しいから

ネモフィラ「…………」

アーモンド「…………。ネモフィラお姉さま。わたし、希望を持っていても不安になる。イナお姉さまは、本当に……帰ってきてくれるかしら」

ネモフィラ「分からない。それは誰にも分からないわ。でも、わたしたちは生きなければならない。イナお姉さまを待つために」


ネモフィラはポンと手を叩き、気を取り直したようにこう言いました。

ネモフィラ「さあ!今度こそ、お茶にしましょう。お店でお味見させてもらったけど、とても素敵なデカフェコーヒーなのよ?素敵なコーヒーとカップケーキで、お姉さまのために乾杯しましょう!」

アーモンド「われらの姉妹のために」

ネモフィラ&アーモンド「わたしたちの、勇敢なイナのために


それは、誰にも聴かれることのない、静かな午後の会話でした……。

つづきます!


今回お借りした主な作品

回想シーンのイナが持っているグラス(手持ちアクセサリー)

Many CC(コーヒーテーブルの上)

Thanks to all MOD/CC creators!
And I love Sims!

web拍手 by FC2

にほんブログ村 ゲームブログ ザ・シムズシリーズへ
にほんブログ村

このブログ内を検索

アーカイブ

ラベル

【Terms of Use】 (1) 【あの時ハナシの裏側で】 (4) 【ある日どこかで】 (106) 【サブデータ】 (5) 【プレイ日記】 (88) 【プレイ日記2020】 (157) 【プレイ日記2021】 (28) 【プレイ日記2022】 (16) 【プレイ日記2023】 (33) 【プレイ日記2024】 (24) 【プレイ日記2025】 (13) 【プレイ日記2026】 (2) 【配布物】 (69) 【物語のカケラ】 (26) 【夢想編】 (11) ★ガレ編 (14) ★グリフィンと欠落の姉妹編 (81) ★サンマイシューノの兄弟編 (6) ★ヨルの秘密編 (7) ★ロイヤルと裸足の魔女編 (88) ★幕間きみはここに (14) 31の質問 (1) 31の質問回答編 (2) Britechester (12) CASの話 (36) CC作成メモ (32) MODメモ (34) POSEメモ(自作) (6) POSE置場(自作) (50) SS撮影 (111) StrangerVille (23) いろいろな世帯 (23) ヴァトーレ家 (9) ウィンター家 (21) エンバー家と縁者たち (7) おじガール世帯 (11) カー家 (95) チョン家 (9) ドレス少年世帯 (20) ナカマたちの世帯 (2) バルクリ家 (8) フォーン家 (2) フォーン家(A) (25) フォーン家(B) (22) プレシャス・トゥ・ヒロインズ (37) ベーア家 (60) マジカル後継者世帯 (348) マジカル旅人世帯 (47) マジック賢者世帯 (10) ミナキ家(子) (146) ミナキ家(親) (17) 過去編 (14) 閑話 (49) 御挨拶 (1) 登場人物 (16) 未分類 (24) 目次 (2) 旅人チガヤの二万マイル (2)

シム人気投票やってます

QooQ