だれもが祝福しなかった再会のこと・前編【幕間きみここ】

2024年7月15日月曜日

★幕間きみはここに

t f B! P L

こんにちはー。

今回はひさしぶりに、現行のお話シリーズ「きみは、あしたもここにいる(幕間)」のつづきを保存したいと思います。

…………。
……………………。

えーーーーーと。
(平伏)

しれっとしてご挨拶してみましたが「なんてこった」でございます。


あのう……【幕間きみここ】は、あまりにも長いこと更新されなかったため「このシリーズは立ち消えになったんじゃあるまいか」「著者(私)は雲隠れしたんじゃあるまいか」と、自分で思ったりしたほどでした。いや、雲隠れはしてない。なぜなら私はここにいるから。なにがなにやら。


前回のお話の掲載が四月で、あまりにも間があいてしまって「前回の話って、どんな内容だったっけ……」みたいな雰囲気が自分でもあるのですが、じつは【幕間きみここ】を放置してたわけでもなく、いろんな条件がたまたま重なって、準備がどえらい勢いで遅れてただけだったりします。うそでしょ。プレイヤー(私)寝てたんじゃないのか。

えーーーーー。

寝ていたわけでもないのですが、三か月のブランクをなんとかするため(?)脂汗をかきながら前回までのあらすじをザッと振り返り、今回のエピソードに進んでみたいと思います。


こんなノロノロ運行の【幕間きみここ】ですが、またボチボチやっていきますので、もしお気が向かれましたらチラ見していただけますと、とても嬉しいです。あらためて、どうぞよろしくお願いいたします。

というワケで……
【きみここ】の最近のあらすじよ。いらっしゃい!


前回までのあらすじ


スラニの灯台守であるハンナ・ミナキのもとに、ある夜半、彼女の妹から電話がありました。

妹の名は、エヴァーブルー。二十一歳。もともとブライトチェスターで大学生活を送っていた彼女は、手紙を残して行方不明になり、文字どおりなんの痕跡もなく「消えて」しまっていた娘でした。

それから、どれほどの時が流れたか。

エヴァーブルーはついに、電話をよこしました。
「ハンナねえさん。あすの夕方六時に、サンマイシューノの郵便局通りまで来てほしい」

妹はなにやら事情を抱えていそうでしたが、ハンナはともかく、姉のソニアとともにサンマイシューノに向かいます。


前回のお話は、サンマイシューノに向かう電車の場面で終わりました。
今回は、その電車が大都会に到着したところから。


それでは、本日もまいりましょう!


第一の話(その7)





だれもが祝福しなかった再会のこと・前編


ハンナとソニアは、サンマイシューノの地下深くに横たわる二十四番ホームに降り立ちました。そこからえっちらおっちらとエスカレーターを乗り継いで、地上にぽっかりと開いている改札口までのぼっていきました。

ソニア「あれっ」

駅から一歩出たところで、ソニアがすっとんきょうな声をあげました。




ソニア「ここって、サンマイシューノ?降りる駅をまちがえちゃった?」

ハンナ「ううん、ねえさま。合ってる。ここは新南口だよ。アップタウンの改札口。いつもはスパイス・マーケットに近い改札から外に出るでしょ。だから、景色がぜんぜん違うんだよ」




頸椎を痛めそうなほど首をそらして高層ビルを見上げているソニアの腕を、ハンナをしっかりとつかまえました。おっとりした性質(たち)の姉が糸の切れた凧みたいにどこかに行ってしまうことを阻止しながら、さきに立って歩きだします。

ハンナ「行こ。そんなに歩かない」




ゆるやかな螺旋を描く公共通路を進み、ガラス張りのエレベーターに乗って、街の「下層」へ。

仕事場からアパートにもどる人やパンクファッションの若者や配達中のラーメン屋が、大通りを、広場を、路地をいっしょくたに行きかい、だれもが留まることなく去っていきます。

いまやハンナとソニアも、街を流れる血液の一部でした。淑女然とした二十五歳のソニアがハンナに手をひっぱられ、子どもみたいにきょろきょろしながらついていくのを目にしても、サンマイシューノではひとりとして気に留めません。




ハンナ「着いた」

ソニア「あ、郵便局!すごいねハンナちゃん。わたし、ハンナちゃんのあとにくっついていくばっかりで、どこを歩いてるのかわからなかった」

ハンナ「アクロバット級の抜け道を使ったから、わかんなくてもムリないよ。あたしもよくわかんなかった。それは冗談だけれど、レッドフラワー飯店の横の道から映画屋さんのとこまで、ななめにつっきったの。それにしても」

ハンナはしゃがみこんで、舗道のすみに寄り集まっている落ち葉のなかから、一枚を拾いました。

ハンナ「サンマイシューノで【晩秋みたいに木々の葉が落ちてる】っていう話は、ほんとうだったんだ。まだ夏がはじまったばかりだっていうのに。気温だけはいつもの夏とおんなじで、こうしてるあいだもあたしたちは汗をかいてるのに」




ソニア「世界のすがたが変わりつつあると、おかあさまはおっしゃっていたね」

ハンナ「うーん」

ソニア「五時四十五分になるね。ちょうどいい頃合いだね」




エヴァーブルーは、六時に郵便局の裏手まで来るように、と要求しています。

ハンナ「胸がドキドキする」

ソニア「わたしもだよ」

姉妹は郵便局の外壁に背中をつけて、プランターみたいにならんでいました。

五分がすぎたころ、ひとりの少女がコロンコロンと三輪車を押して現れました。おおきなパラソルとおおきな荷台を備えた三輪車は「移動販売」と書かれた看板を掲げていました。




ハンナ「あー。コモレビ山から来た、ラムネ屋さんだ」

ソニア「めずらしいね」

ハンナ「買ってこようかな。ねえさまも飲むでしょ。脳みそと心臓を、ラムネの泡ですっきりさせたいんだ」

ソニア「待って。小銭持ってる」

ハンナがうさぎのように駆けていって瓶入りのラムネを買いもとめる様子を、ソニアは見るともなく見ていました。いかにもコモレビ山出身、といった風情の売り子が氷を張った桶のなかからラムネの瓶を二本引き抜き、縦じま模様の布巾で瓶のしずくを拭っています。

ハンナはおそらく、エヴァーブルーとあいまみえる緊張で、口のなかがカラカラなのでしょう。(ハンナちゃんはもともと喉が渇きやすい体質だし、感覚がするどいところもあるし、なにか飲まないとまいっちゃう)と、ソニアは妹を思いやりました。

???「ソニアねえさん

ハンナのものではない声が、はっきりとそう呼びました。




振り向くと、ソニアの背丈の半分しかないような子どもが、ソニアを見上げていました。




ソニア「…………」

謎の子ども「…………」

ソニア「…………」

謎の子ども「ソニアねえさん。あたしがだれだか、わかる?

黄金の髪を持つ子どもは、さぐるように言いました。


お読みいただき、ありがとうございました!
つづきます!


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