ついに、Lovestruck Expansion Packが発売されましたね!
私も、遊ぶのがとても楽しみです。
と申しますのも、うちはまだアプデさえしていない……。なんてこったい。
早く遊びたくてたまらないのですが、お話の更新を済ませて作業をいくつか片づけてから、まず落ち着いてMODを更新して、それからアプデしようと思ってました。
……たのしみです(二回目)
*
というわけで今回は、新パックの話ではなく、現行のお話シリーズ「きみは、あしたもここにいる(幕間)」のつづきを保存したいと思います。
まずは今回も、定型のご挨拶を。
このお話は、プレイ記録をお話仕立てにしたものではありません。こちらは、おもにシムたちのポーズ画像を挿絵にして、うちの世界独自の設定なども盛り込んでストーリーが展開していく「シムズ小説」とでも呼べそうなシロモノです。ぺこり。
そんなこんなで、星空シムズ年代記より「きみは、あしたもここにいる(幕間)」。
それでは、本日もまいりましょう!
第一の話(その8)
だれもが祝福しなかった再会のこと・後編
謎の子ども「ソニアねえさん。あたしがだれだか、わかる?」
黄金の髪を持つ子どもは、さぐるように言いました。
ソニアは、脊髄がしびれるような衝撃を感じました。
目のまえの子どもは、ソニアの知っている子ではなかった。けれど彼女の話し方、特徴のある発音は、ソニアのよく知る人物とまるでそっくりでした。
ソニアの妹……ミナキ家の【三女】エヴァーブルーには、語尾を押しだすように強めて話す独特のくせがありました。それは故郷のなまりとは別のもので、幼い日のエヴァーブルーが自分で編みだしたとしか思えない、類を見ない発音でした。
その話し方が【押しつけがましい】と受けとられて反感を買い、スクール時代にはクラスの男の子たちにとりかこまれたことさえあった。けれどそのとき、エヴァーブルーは握りこぶしにハンカチを巻きつけて構えをとるや、男子たちを華麗になぎ倒し、彼らのボスだったアレン・カノンに飛び蹴りを食らわせました。
エヴァーブルー・ブレイクとは、そういう娘でした。
その向こう見ずな心を持ったまま、エヴァーブルーは二十一歳に成長し、ソニアやハンナのまえから姿を消したのです。
いま、午後六時の郵便局のそばの道で。
ちいさな女の子がエヴァーブルーを複製したような発音で、ソニアに話しかけています。
ソニア「もしかして、あおちゃん、なの……?」
それは、ソニアだけが用いる【エヴァーブルーの愛称】でした。
ソニアは結論を出そうとして、記憶のふたを開けようとしました。(この子は幼い頃のあおちゃんに、すこし似てる気がする。見ているうちに、だんだん似てくる気がする)と、思いました。
謎の子ども「…………」
*
ハンナ「ソニアねえさま。ラムネ、とっても冷えてるよ!」
のんきな声で言いながら、ハンナ・ミナキがもどってきました。ソニアの分のラムネを一本、ひじと胴のあいだに器用にはさんで、自分の分のラムネを飲みはじめています。
ハンナ「ラムネってさ、瓶の栓がビー玉になってるでしょ。あたしむかしから、どうしても自分で栓を開けてみたいと思ってた。そんでお店のおねえさんにおねがいしたらね、栓抜きを貸してくださったんだ。スコン!って抜けておもしろいよ。どうぞおねえさまも開けてみてくださいって、笑って言ってくださった……よ……?」
瓶の口にくちびるをあてたままの恰好で、ハンナは黄金の髪を持つ女の子に気がつきました。【だるまさんがころんだ】をしているときみたいに、ハンナの動きがぴたりと止まりました。
ハンナ「…………」
謎の子ども「…………」
ハンナ「エヴァーブルー?」
けげんそうな口調、という言葉をかたちにするとしたらこの口調しかないだろうと思えるような声色で、ハンナが子どもを呼びました。
二秒後にハンナが見せた行動といったら、ソニアには思いもよりませんでした。
ハンナは「ねえさま、よかったら持ってて」と言って、二本のラムネをソニアに押しつけ、黄金の髪を持つ女の子の肩をがしっ!とつかみました。次に、匂いを嗅ごうとする犬みたいに、女の子の鼻先にハンナ自身の顔を近づけました。
ハンナ「とこしえの青」
女の子の瞳をのぞきこみ、ハンナが射抜くように言いました。
謎の子ども「…………」
ハンナ「スラニの海みたいに青いその瞳で、あんたはあたしを批判していた。それがあんたの持ち味だった。背丈が半分に縮んでも、瞳の力は変わらない。あんたはソニアねえさまとあたしの妹、そしてコハクの姉。あんたの名前は、エヴァーブルーだ」
女の子の肩のあたりから緊張が消えさり、彼女はニヤッと笑いました。
ちいさなエヴァーブルー「おめでとう、ハンナねえさん。ソニアねえさんもありがとう。サイコーだよ」
一部始終を見守っていたソニアは泣くか笑うかするような声をもらし、駆けよって手をのばしました。エヴァーブルーがそれにこたえ、ふたりは両手で握手しました。
緑のズボンのうさぎ「…………」
ハンナはまじめくさって顔を上げ、エヴァーブルーのうしろでぼんやりと【姉妹の再会に参加している】人物を見つめました。
緑のズボンのうさぎ「……………………」
ハンナは、ソニアを振りかえりました。
ソニア「えっ、なあに」
正確には、ついさっきハンナ自身がソニアの手に押しつけた、二本のラムネを振りかえりました。次にソニアを見、エヴァーブルーを見、緑のズボンを着けたうさぎを見、ハンナ自身の身体を見下ろしました。
ハンナ「ラムネ、あと二本買ってくるよ」
というのが、ハンナが出した結論でした。
つづきます!
とつぜんの、おまけという名の駄文
えーーーと。
ポーカーフェイスを貫いて(?)フツーにお話をお披露目させていただきましたが「毎回、月単位であれほど更新が遅れてたのに、今回は新しいお話載っけるの異様にはやくない……?」という感じでした。私自身がなんか耐えられなくなってきた。ぎゃふん。
*
どうして中途半端に更新がはやいのかといいますと、今回のエピソードはもともと「前回のお話の後半」に含まれる予定だったパートです。前回のお話を清書したとき、あまりにもテキストが長すぎることに気がついてアゴがはずれそうになり、急遽前後編に分割することにしました。
というわけで、前回の「前編」を書いていたとき、すでに後編の挿絵やテキストも準備が済んでて「後編も、あとは清書するだけだよ!」という珍しい状況でした。それで、このはやさ(当社比)での更新です。最新話をノー準備で更新できるなんて、なんと恵まれた環境なんだ。
……と、まぁ、尋ねられてもいないのにプレイヤーの事情をあけっぴろげにお披露目させていただいたところで、次回お話の準備に入りたいと思います。二日以内にアプデもしたいです。たのしみです(三回目)
お読みいただき、ありがとうございました!
*
今回お借りしたラムネ(手持ちアクセサリー・オブジェクト)は、
の作品です。いつもありがとうございます!
Thanks to all MOD/CC creators!
And I love Sims!
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