ただ、真実への一打

2021年1月16日土曜日

★グリフィンと欠落の姉妹編 マジカル後継者世帯

t f B! P L
こんにちはー。

本日は、また「グリフィンと欠落の姉妹編」です。

ポートランド邸のそばで倒れ、身動きがとれなくなっていたグリフィンの許に、屋敷の令嬢・アーモンドが現れました。彼女はグリフィンを助け、屋敷に招き入れようとします。一度は丁重に断りながらも結局招待を受け入れたグリフィンには、思惑があるようで……

それでは、本日もまいりましょう!

(最終加筆修正:2024年4月11日)




アーモンド・ポートランドに連れられて、グリフィンはふたたびポートランド邸に足を踏み入れました。
今度は、正式に招待を得た人として。





アーモンド「ふふ。殺風景なものでしょう?数年の間だれも住んでいなくて、最低限の管理だけ町長さんにお願いしていたものですから。……どうぞキッチンへ。お茶を淹れます」




アーモンド「どうぞ。タルトーサ近郊の茶葉と何種類かのハーブをブレンドして、蜂蜜を垂らしています。神経を和らげ、身体をあたためます」




…………。
…………。




アーモンド「町長さんのお宅に、ご用があったんですか」

グリフィン「…………?」

グリフィンは目で問い返しました。
警戒したのではなく、質問の意味がわからなかったのです。

アーモンド「あ、いえ……立ち入ったことでしたら、お答えにならなくても。なぜあなたがうちのそばにいらっしゃったのかと……思いまして。このあたりの地区にいらっしゃる方はたいてい、町長さんのお客さまなので」




グリフィン「…………。いいえ、仕事の帰りだった。この屋敷のよこの道を抜けると、職場から自宅までの近道になる。あなたの家だとは知らなかった」

グリフィン・トワイライトは、嘘がうまい男でした。

彼自身は嘘を好みませんが、必要にせまられて嘘八百を並べたてると本領発揮。ほんもののポーカーフェイスの持ち主でした。

アーモンド「え……」




アーモンドの頬が赤くなりました。

十八歳の少女は人生で一度も、年上の男から【あなた】などと、敬意を込めて呼ばれたことがなかったのです。




グリフィン「あなたが毎週末【本屋が併設されたカフェ】にいたことは、おれも知ってる。おれたちは店で、よく会ってた。あなたは【キャラバンの少女】を読んでいた」

このくらいなら、事実を述べても危険はない。そう判断して、彼はまじめに言いました。その言いまわしが【罪つくり】で、少女の胸をときめかせてしまう可能性については、考えが及ばないのです。

アーモンド「お、お茶の味は、おかしくはありませんか」

アーモンドはもう一杯勧めようとして、テーブルの脚につまずきました。

グリフィン「大丈夫か。落ち着け」

アーモンド「はあ」




グリフィン(…………。いまこそムーアにならって、踏みこむときだ)




軽薄な同僚を思いうかべて、グリフィンは口を開きました。

グリフィン「……話題を替えようと思います。おれは、あなたの姉上のことを知りたいと思ってる。イナ・ポートランドのことを」

アーモンド「――――!




アーモンド・ポートランドの顔色が、一気に白くなりました。
グリフィンがくりだした一打は、脈絡がないといえそうなほど唐突だった。




グリフィン「イナが十七歳でこの家を離れ、放浪の旅に出たことは知ってます。現在は行方不明だということも。……おれの仕事は、彼女のカゲを追うことです。一般的な話をすると【行方不明とされている者でも、家族だけはその足取りを知っている】という真相はありえる。イナ・ポートランドの現在について、あなたはなにか知ってはいないか

グリフィンは嘘がうまい男で、秘密工作員です。

しかし、嘘をつく必要がないと彼自身が思う場面では、ばか正直に【ほんとうのこと】を話します。情報を引きだそうとしてネモフィラに近づいたムーアのように、しかしグリフィンはグリフィンのやりかたで、やってみようと思いました。

この話をするために、彼はアーモンドの招待に応じたのです。

とはいえ、グリフィンの手本となったムーアがもしこの場を目にしたら、ハリセンを握ってグリフィンに突進し、銀色の髪に覆われた形のよい頭をひっぱたいたことでしょう。

【ものごとには、やりかたってモンがあるだろうよ!】




アーモンド「……警察の方だったんですか」

感情のない青白い声で、アーモンド・ポートランドが言いました。

グリフィン「おれが何者なのか、話すことはできない。仕事のうえでの義務がある。だが言えるのは、おれはイナ・ポートランドにも、あなたにも、二番めの姉上ネモフィラにも、害をなすような真似はしないということだ。これは職務上の宣誓ではなく、それをうわまわるおれ自身の意志です」

いまやそれくらいしか、イナ・ポートランドの友情に報いる方法はないのだから。

グリフィン自身の言葉がちからを持ち、誓いの枷となってみずからの首に嵌め落とされる音を、彼はたしかに聞きました。

アーモンド「…………」




アーモンドは、顔をこわばらせたままでした。

このグリフィンという人は、信じるに値するのだろうか。
彼女がそれを考えている間、沈黙がありました。


つづきます!


今回のポーズ

SS11枚目(自販機前のムーア)のポーズ・及び「アーモンドが持っているキャンドル」は
よりお借りしました。いつもありがとうございます。

Thanks to all MOD/CC creators!
And I love Sims!

(その他のポーズは、自作です……)

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