本日は、また「グリフィンと欠落の姉妹編」ですー。
幼児の姿になってしまった旧友・イナはついに魂を取り戻し、世界に心を開きました。しかし話せるようになった彼女は、開口一番グリフィンを烈しく呪います。「なぜ、あんたはあたしの目を醒まさせたの?」と……。彼女と彼の苦難は、まだ続くのでした……。
それでは、本日もまいりましょう!
*
イナ・ポートランドはついに、魂を取り戻しました。しかしそれは、幸せなゴールではありませんでした。
イナ「どうして、あたしの目を醒まさせたの!あたしはもう幕を下ろし奈落に潜って、二度と目を開かないと決めていたのに!あんたを呪ってやる。あたしはもう、どんな音楽にも耳を塞いで、永い眠りにつこうと決めていたのに……!」
あの烈しい罵倒のあと……騒ぎに気づいて駆けつけた研究者たちによって、イナは病室に連れ戻されました。それから七日間、グリフィンが彼女に会うことはありませんでした。
いいえ、彼はもう一度彼女との対話を試みようと、何度か面会申請を出していたのです。しかし、すべての申請が即座に却下されたのでした。
助けようとした友人の口から、面と向かって【無尽蔵な憤怒と悲痛】を浴びせられたことを……彼はどう思っているのでしょうか。彼は誰にも、その胸の内を語りませんでした。
ムーア「スノウフイール」
ある日、休憩室にいたグリフィンを、同僚ことメルヴィル・ムーアが捕まえました。
グリフィン「……なんだ」
ムーア「聞いたよ。おまえが今も【彼女】に執着してるって。おれが口を差し挟むことじゃねぇかもしれないけど、あんまり肩入れしすぎないほうがいいんじゃねぇの?前も言ったろ?……おまえがムカシ、彼女とそういう仲だったのは……それはそれとしてさ」
グリフィン「……そんな関係じゃない。肩入れしてるつもりもない。ただ、すべきことをしているだけだ」
ムーア「おまえはそれで満足かもしれねぇけど、彼女がおまえの手助けを望んでるかどうかは別の話だろ?」
グリフィン「彼女がおれを憎んでるなら、それでも構わない。問題は別のところにある」
グリフィン「彼女が【意思の疎通が可能な人物】になったことで……上層部からの尋問にさらされている恐れがある。それで面会申請がハネられてるのかもしれない。彼女があの姿になった原因を、彼女本人から聞き出そうと……上層部がそう考えたとしても、何の不思議もない」
ムーア「かーーーっ!おまえはほんと、自分の心を置き去りにする男だよ。おまえに赤い血が流れてるのかどうか、疑いたくなることがあるぜ」
グリフィン「……そうでもない。後悔はある。彼女が自分を取り戻せば、道は拓(ひら)けると思ってた。それがかえって、彼女を追いこんだと思う。面会できないのは尋問などではなく、おれがストレスを与えすぎて容体を悪化させたかもしれない」
ムーア「まぁ……、あの時はおまえも、あれしかやりようが無かっただろうよ」
同情を掻き立てられたのか、ムーアがあっというまに立場を変えて、慰めるようなことを言いました。
ガヴォット「グリフィン・スノウフイール!こんなところにいたんですね!」
ムーア「……ガヴォット、仕事の話ならあとにしてくんない?おれら今、ただでさえ気の滅入るような【重要な話】をしてるワケよ」
ガヴォット「そうは行きません。スノウフイール、吉報です。あなたが出していた、あのお嬢ちゃんへの面会申請……許可が下りましたよ!」
グリフィン「…………!」
ファニー・ガヴォットは、グリフィンの手に呼出機を握らせました。
ガヴォット「面会時間は三十分。さぁ、行ってきなさい。わかってると思うけど、チャンスはいつでもそこにあるワケじゃないんですからね?」
グリフィン「……ああ」
途切れかけた道が、再び繋がった……。
この時は、そう思われました。
つづきます……!
*
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