ステップをひとつずつ

2021年8月12日木曜日

★グリフィンと欠落の姉妹編 マジカル後継者世帯

t f B! P L
こんにちはー。

本日は、また【グリフィンと欠落の姉妹編】ですー。

前回の「49話・あの世界への帰着」まで、数回にわたってグリフィン&ロイヤルの自宅からお届けしました。弟・ロイヤルの目を通して見ると、グリフィンが真剣になって調べ物に没頭していたのは何だったのか……その行動は、謎そのもの。

けれど実際には、グリフィンは「イナの行方不明になった息子・トリー」の足跡を追っていたのです。今回、調べ物の成果を持ったグリフィンが、再びイナの許を訪れます。彼が掴んだものは、何だったのか……?

それでは、本日もまいりましょう!



グリフィン・トワイライトは、再びこの場を訪れました。

軍施設の最奥・機密区画。

重苦しい扉を抜け、暗い廊下を歩き、何度もIDカードを提示します。ようやくたどり着いた【病室】で彼を待っていたのは……


イナ「こんにちは、グリフィン!

イナ・ポートランド。
不可思議な症状によって幼児の姿になってしまった、二十二歳の女性。

【目を醒まし、心を取り戻した】あとの彼女が、わざわざ立ち上がってグリフィンを出迎える……というのは、初めてのことでした。

グリフィン「……こんにちは」

ほほえみ返す訳でもなく、彼は淡々と応じます。これでも心のなかでは、イナの【歓迎】を意外に思っているのですが、表情にはあらわれない青年でした。


イナ「うわぁ。今日はまた、すごい荷物だね?」

見るからにずっしりとしたトランクを提げているグリフィンに、イナは感心したように言いました。

グリフィン「確かに重かった」

彼には余計な見栄というものがないので、素直にそう述べます。

イナ「そのへんに置きなよ。……あぁ、可愛いトランクだね。あたしも地方公演の時にこんなトランクがあったら、良かっただろうな」



今日も、町は暑いようです。
グリフィンの髪の生え際から汗が落ちているのを見て、イナは親切にこう言います。

イナ「おでこ拭いたら?そこにタオルあるよ」

グリフィン「……ありがとう。だが、自分のがある」

彼が汗を拭っている間、沈黙がありました。大荷物を提げたグリフィンは、炎天下をどれくらいの時間歩いてきたのだろう……イナはそんなことを考えています。

首すじを拭う時にドッグタグが邪魔だったらしく、彼はそれを外します。着け直すのが面倒だったらしく、チェーンを几帳面に丸めてポケットにつっこみます。

イナ(……あれ、次に取り出した時にはぜったい絡まってる

というのが、現実的なイナ・ポートランドの意見でした。


グリフィン「……とりあえず、調べられるだけ調べた。トリーのことを」

彼は、前置きなしで切り出します。

イナ「え?あ、うん」

間抜けな声を出したあと、イナは自分のすそをキュッと握りました。

あふれてくる想いを、時間をかけて噛みしめます。

イナ「……本当にやってくれたんだね。あたしの息子のために」

グリフィン「この施設の上層部が、力を貸してくれてる。他の地域にある施設と連携して、どこかの病院や福祉施設にトリー・P・ワットという名の子供が現れていないか……それを調査してくれたそうだ。結論から言うと今のところ、トリーという名の男の子が公的機関を訪れた、という記録はない

イナ「……うん」


グリフィン「それとは別に、おれも個人的に調べた。あなたが車から降ろされたのが、どこのガソリンスタンドだったのか……そこを足掛かりに」


イナ「どうやって?あたしだって憶えていないのに」

グリフィン「あなたの証言をもとに、ストレンジャービルの郊外にある二十八のガソリンスタンドのなかから、それらしい場所を絞り込んだ。あなたはガソリンスタンドから町まで車道を歩いたと言ったから、方角と距離、季節から太陽の向きを計算して」

こともなげに説明されて、イナは感心したというより呆れたような顔になりました。

イナ「あんたそれ、ひとりでコツコツやったの?ガソリンスタンドをひとつずつ?普通ならおっきいコンピューターでシミュレーションするようなことだと思う。あんたは昔から頭のいい子だったけど、頭がいいというより、ちょっとどうかしてるよ」


グリフィン「…………?ひとつずつ可能性を消去していけば、必ず【あなたが車を降りた地点】を割り出せる。手数がかかるだけで、難しくはない」

イナ「わかった、わかった」

グリフィン「資料はここにある」

彼は立ち上がり、トランクを開け、大量の書類を取り出しました。


イナは「うへぇ」と、変な声を出しました。

グリフィンは、彼女の疲弊ぶりを思いやって、

グリフィン「全部読めとは言わない。仮説を裏打ちするために、一応まとめて持ってきただけだ。あなたに見てほしいのは、ここにある一枚半だけだ

イナ「それだけのために全部トランクに詰め込んで、この暑いなか後生大事に持ち歩いてるんだとしたら、あたしに言わせればやっぱりどうかしてるよ」

グリフィン「ああ」


何が「ああ」なのかわかりませんが、グリフィンはきまじめに書類を差し出しました。


イナはしぶしぶというように目を通し……


その目の色が変わりました……!

つづきます!


SS3枚目のポーズ(トランクを提げて歩くグリフィン)
グリフィンが持っているトランク
グリフィンが持ってきた書類

以上の作品は、
よりお借りしております。いつもありがとうございます。

(その他のポーズは、自前です……)

Thanks to all MOD/CC creators!
And I love Sims!

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