今回は、また「グリフィンと欠落の姉妹編」ですー。
グリフィンは、どうやら【旧友】を見つけ出すことに成功しました。しかし、再会したイナ・ポートランドは幼児の姿に退行していて、グリフィンは「その子供が、本当にイナなのか」疑念を晴らすことが出来ません。イナを【保護】した上官・マルボロは、彼女と出会った時のことを語ります……
それでは、本日もまいりましょう!
*
少女「……帰りたい」
マルボロ「どこへだ」
少女「……今じゃないどこか、未来じゃない場所へ」
*
マルボロ「あとでわかったことだが、彼女はこうした言葉を繰り返すだけで、他のことを何ひとつ話さなかった」
グリフィン「…………」
この話は長くなる、ひと息つこう……そんな意味を込めて、マルボロ少尉が提案しました。
グリフィン「いや、いい……」
ムーア「おれも要らねぇわ。減量中だし」
マルボロ「…………。ポートランド邸の前で、わたしはどうすべきか考えていた。今度こそ、警察に連れて行くべきだろう。わたしは言った。【こんな時間に、子供が外を出歩くのは危険だ】」
マルボロ「わたしが彼女の肩に手を置いた瞬間、異変が起こった。彼女が顔を歪め【パニックを起こした犬のように】悲鳴を上げたのだ」
少女「いたい……!いたい、いたい!」
マルボロ「軍人の誇りにかけて誓ってもいいが、わたしは彼女の肩を強く握った訳ではなかった。ごく当たり前に、掌を載せただけ。だが、彼女は苦しみで泣き叫んだ。それどころか、骨の軋むようなミシミシという音が聞こえ始めた」
マルボロ「またもや、信じられぬかもしれぬことを言う。彼女の身体が、目に見えて縮み始めた。十歳児だった姿が七歳児になり、さらに小さくなった。二十秒の間に、彼女の身体は三歳児のものに変わってしまった」
マルボロ「わたしは絶句したが、思い出したことがあった。軍内部でも、取り扱いに困っていた報告だ。このストレンジャービルで、はたまた他の町で、奇妙な症状に悩まされる人間が現れ始めているらしい。たとえば【犬歯が伸びて、牙のようになった】【全身に体毛が生えて、熊のような姿になった】……既に確認がとれていた物だけで、そのような報告が九例上がっていた」
マルボロ「それらの症状のなかには【異常に身長が縮んだ】という物もあった。まさに目の前の少女も、身長が縮んでいると言える。それだけではないとも言えたが」
マルボロはそこで小さく笑い、ブラックユーモアのようなものを覗かせました。
マルボロ「わたしは、彼女を軍で【保護】できるよう、手を打った。原因不明の病が広がっているのなら、調査しなければならない。……障害となったのは、彼女の身元が分からなかったことだ。彼女は身分を証明する物を身に着けておらず、名前すらわからなかった。本人に尋ねてみても……」
少女「……帰りたい。今じゃない場所、過去じゃないどこかへ」
マルボロ「これを繰り返すばかりで、糸口は掴めない。……そんな折、あるスジから、またもや奇妙な噂を耳にした。数か月前、とある地方の芝居小屋で、公演が打ち切りになったという話だ。それだけなら気にも留めないが、打ち切りとなった理由が変わっていて【主演ダンサーの身長が縮み、舞台に立ち続けることが難しくなったから】だという」
マルボロ「わたしは念のため、ツテを頼って公演の資料を取り寄せた。【舞台を打ち切りに追い込んだ】とされる、その不幸なダンサーの名は……イナ・ポートランド。本名か芸名かは分からない」
マルボロ「だが、わたしが少女を拾ったのも、かの高名なポートランド邸の前だった。これは果たして、偶然なのか……。わたしは【イナ・ポートランド】と、わたしが拾った子供との関連を調べ始めた」
つづきます……!
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今回お借りしたポーズ
SS8枚目(少女を抱っこするマルボロ)のポーズは、
よりお借りしました。いつもありがとうございます。
Thanks to all MOD/CC creators!
And I love Sims!
(その他のポーズは、自作です……)
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