本日は、また「グリフィンと欠落の姉妹編」です。
ポートランド邸での調査を終え、深夜に帰宅したグリフィン。休憩を挟んで、彼は【エイト・ベルズ】で飲んでいる上官の許に報告に出かけました。彼はその後、どうしたのか。
その行動を追いたいところではありますが、今回は意外な場面から幕を開けます。
それでは、本日もまいりましょう!
(最終加筆修正:2024年4月12日)
*
グリフィン・トワイライトは、眠りのなかで夢を見ていました。
イナ「ねえ、グリフィン。だれを追ってるの?」
見たことのある少女が言いました。
グリフィン「あなたのカゲを」
グリフィン「あの日……あなたの手を離した十八歳の日、おれにはちからが足りなかった。そして、自分の可能性を信じていなかった」
イナ「そうかな?世界は分かたれ、ふたたび元の姿をとりもどしただけ。失ったものを取りもどせると、誤解してるワケじゃないんでしょ?」
グリフィン「もしもいま、あなたが苦境にあるのなら、今度こそその手をつかみたい。できることなら、あなたを妹君たちに会わせたい」
イナ「あんたには別の役目がある。あんたは自分がだれなのか、知らなきゃならない。あんた自身の正体に目をひらかなきゃいけないんだよ」
グリフィン「おれはおれだ。いつか自分の魔力に足をつかまれ、泥のなかに引きずりこまれる。魂の扉は閉じられる。見通しは暗いが、おれ自身の道をおそれはしない」
イナ「そうかな?運命はまだ、あんたを必要としてるんだよ……」
夢のなかで場面は変わり、グリフィンはバー【エイト・ベルズ】のなかに立っています。
グリフィン「……これが、いま話した【イナ・ポートランドから妹たちの許に届いた手紙】だ。そしてこちらが、遺伝子情報のサンプルだ」
???「グリフィン・スノウフイール」
グリフィン「はい」
???「世界の生まれ変わりについて知っているか?」
グリフィン「…………?」
???「世界は死に絶え、女神はふたたび世界を産む。しかし、まだ我々は届かない。人類は、未来に渡る船を持たねばならないのだ」
夢のなかで場面は変わり、いつか見た少女が立っています。
シャーロッタ「魂の扉が閉じられて、あなたが眠りについたなら、わたくしは花を捧げます。百五十年の先までも、あなたをずっと待ってます……」
そしてまた、よく知っている少年が、糾弾する瞳で見つめます。
ロイヤル「おれたちを置いてくの?グリフィンがはじめた問題じゃないか。それらをすべてうっちゃって、ひとりで先に行ってしまうの?」
刻々と色を変え、大理石模様のように渦を巻く世界をくぐり抜けて……
グリフィン・トワイライトが、目を覚ましました。
シャーロッタは、もう洗濯を済ませていて……
ロイヤルがボール遊びをしている音も聞こえます。
時刻は、午前十一時。
どうしてこんな時間まで眠っていたのか。と、グリフィンは眉のあたりを掻きながら考えました。
昨夜半に帰宅して、そのあと【エイト・ベルズ】で飲んでいる上官を訪ねた記憶が、時間をかけて蘇ってくる。入手した情報や証拠品を上官に手渡し、帰宅したのが朝の三時だったはずです。きのうは大変な一日で体力をごっそり持っていかれたことを考えあわせると、まぁ妥当な起床時刻といえるかもしれません。
グリフィン(変わった夢を見た気がする。エイト・ベルズが出てきた。よく憶えてないが)
憶えていないのは、いまにはじまったことではありませんでした。グリフィンは夢を見ても、ほとんど忘れてしまう体質です。おかしな時間に眠ったために頭が重く、首の筋肉が張っているように感じられました。
棚の定位置に置いてあった携帯電話をとり、仕事用のアプリを立ちあげようとすると、手のなかの電話が着信を知らせました。
画面には、同僚の名前が表示されています。
まったく、ムーアはなぜ【専用アプリ】での連絡を嫌って、わざわざ電話を掛けてくるのか。
グリフィン「はい」
ムーア「マルボロから招集。十三時半に本部だ」
グリフィン「わかった」
グリフィンは目をこすり、首を左右に倒してから、シャツに袖を通しました。
はたして、あれは【ただの夢】だったのか。
彼がその真相を知ることは、ありませんでした。
*
つづきます!
*
謎の男が持っている「カクテルグラス」及び、グリフィンが持っている「iPhoneのacc」は、前回に引き続き
よりお借りしました。
また、今回もたくさんのクリエイター様の作品をお借りしております。
皆様、いつもありがとうございます。
Thanks to all MOD/CC creators!
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