本日は、また【グリフィンと欠落の姉妹編】です。
「失踪者」イナ・ポートランドの謎を追うグリフィン。数々の奇妙な現象に触れながら、調査は一段落しました。彼はひととき「幕間」に身を置きます。
それでは、本日もまいりましょう!
(最終加筆修正:2024年4月12日)
*
グリフィン・トワイライトは弟とお世話係の少女に連れられて「我が家」にもどりました。
シャーロッタ「あらためて、おかえりなさいませ。グリフィン様。お着替えをしてください。お洗濯したシャツ、乾いてますよ?」
グリフィン「いや、あとで出掛けてくる。仕事で人と会わなければならない」
シャーロッタ「まぁ、そうなのですね」
時刻は、深夜零時すぎ。こんな時間に、人と会う。シャーロッタが疑問に思わなかったはずはありません。それでも彼女は深入りせず、そっとしておいてくれました。
グリフィンが手を洗い、
水を飲んでからもどってくると、
グリフィン「寝てる」
シャーロッタ「お疲れになったのですね。……ロイヤル様、おやすみになるときは、ベッドに入って毛布をかけてください!」
ロイヤル「うーん、ラジオ体操までには起きる……」
シャーロッタ「いけません!あと五時間も床で寝ることになります!」
ふたりが押し問答をしているすきに、グリフィンは外に出ました。
アプリを立ち上げ、同僚のアドレスを呼びだしてメールを打ちます。
*
ムーア【こんな時間になんだよ】
グリフィンの呼びかけに応じて、送られてきた文章がそれでした。
グリフィン【アーモンド・ポートランドの遺伝子情報サンプルと、重要書類を入手した。これから提出しに行こうと思う】
ムーア【了解。マルボロなら、まだバーにいるはずだ。本部に向かうより、そっちに直接顔出したほうが早いだろう。おまえんちの近くのエイト・ベルズ。地図はいらないだろ】
ムーア【おれはさっきまで、そこでマルボロと飲んでいた。ネモフィラ・ポートランドへの聴き取りの結果は、提出済みだ。イナ・ポートランドの生育歴と、先月イナから実家に手紙が届いたという情報を入手している】
グリフィン【手紙の情報には、おれもたどり着いた。その手紙の現物が、ここにある】
ムーア【やったな。じゃ、あとはよろしく。いま、女といっしょなんだ】
また女か、と思わないでもなかったが、それをわざわざ文章にして送りつけるほどのことはなかった。グリフィンはただ次のように言って、通信を終えました。
グリフィン【わかった。切る】
部屋にもどると、シャーロッタがもぞもぞとチョコレートを食べているところでした。
シャーロッタ「あの、ちょっとおなかがすいてしまいまして……。ダイエットをあきらめたわけじゃないんですよ?でも、ベッドに入ったのに空腹で眠れないのは悲しいものですし、いま食べたほうがいいのではと考えました……」
グリフィン「おれはなにも言ってない。おまえがおれのために駆けまわってくれたことは、すでに聞いた。おまえの脚でロイヤルの体力についていくのは大変だったと思う。食べたほうがいい」
グリフィンはまじめに言いました。
若い主人が財布をポケットにねじ込むのを見て、お世話係が控えめに言いました。
シャーロッタ「どちらへ向かわれるのか、伺ってもいいのでしょうか」
グリフィン「エイト・ベルズだ。先にやすんでくれ。朝にはもどると思う」
シャーロッタ「どうかお気をつけて。ポーチのところに電気ランタンを置いておきます。エイト・ベルズなら、シャーロッタも安心できます。人がたくさんいますから」
グリフィン「…………?」
シャーロッタ「どうなさいましたか。もしグリフィン様がお身体の調子を崩されても、人がたくさんいれば、どなたかが気づいてくださるでしょう。そういう意味で言いました」
グリフィン「…………」
彼が今夜、人のいない屋外で倒れて身動きが取れずにいたことを、彼女は見抜いているのでしょうか。グリフィンがあまり健康ではないことを、シャーロッタはよく知っている。
グリフィンとしてはわざわざ「倒れた」などと口にして、この少女によけいな心労を背負わせたくありませんでした。
グリフィン「…………。行ってくる」
結局、彼はなにも話さず家を出ました。
午前一時四十分。
彼がその夜「我が家」に滞在していた間の、それが一部始終でした。
つづきます!
*
SS8枚目(ムーアと謎の女)のポーズ、及び「ロイヤルが抱えているクッションacc」「グリフィンが持っているiPhoneのacc」「シャーロッタが持っている板チョコのacc」は、
よりお借りしております。また、今回もたくさんの作品のお世話になっております。皆様、ありがとうございます。
Thanks to all CC creators!
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