本日は「ヨルの秘密編」最終話です。
ヨルの支配者であり、後見人(?)でもあるリリス・ヴァトーレさんの助力(?)により、ヨルはいくらかのシムオリオンを手にしました。家賃の危機を、脱したのです。そして……
それでは、本日もまいりましょう!
*
ヨル「吸血鬼の谷から帰ってくると、この街はなんだかまぶしく見えるな……。まぁ、空は曇ってるんだけど」
ヨル「ただいまー!」
ベネッサさんの待つおうちに、ヨルは完ぺきな笑顔で登場しました。
ベネッサ「ヨル!」
彼女はそう叫んだきり、絶句しました。それから一直線に駆けてきて、ヨルをキュッと抱きしめました。それほどまでに、姿を消したヨルを心配していたのです。
ベネッサ「……帰ってこなかったらどうしようかと思ってた。ヨルが【屋上から飛び降りるスタントの仕事】を引き受けちゃったり、マフィアに内臓を売り飛ばしていたり(!)したらどうしようかと思ってた」
ヨル「心配かけてごめんね。ぼくはなんともない。……ベネッサ、お金が出来たんだ。親切な人(シム)のお陰で。もしイヤじゃなかったら、受け取ってほしい」
ヨルは緊張気味に、でもとても優しく【封筒に入ったシムオリオン】を差し出しました。デル・ソル・バレーに戻ってくる前に、老舗の古物商で、例の「古銭」を売ったのです。
ベネッサさんは黙って封筒を開け、貴重なシムオリオンを見つめました。
ベネッサ「あたし、またオーディションに落ちたの。今、通知を受け取ってちょっと落ち込んでたところ」
と、彼女はポツリと言いました。
ベネッサ「……ありがとう、ヨル。どんな仕事をしてたのかは聞かない。危ないことはして欲しくないけど、ヨルがあたしを助けようと思ってやってくれたことは、わかってるから。あたし、ヨルのそういう優しくて強いところが好き」
ふたりはどちらともなく、互いの手を取りました。
ヨル(……ぼくは全然、強くない。そんなに優しくもないと思う)
彼は心のなかで呟きました。
ヨル(ぼくはただ子供で、手段を選ばない問題児というだけなんだ。でも、たくさんの人に助けられてる。ベネッサにも。……いつか、ぼくを助けてくれた人たちがぼくを誇りに思ってくれるような、そんな大人に、ぼくはなりたい)
ヨル「……ベネッサ、きみの唇に触れてもいい?」
ヨルは囁くように言いました。ベネッサさんの大きな目が、ますます大きくなりました。
ベネッサ「どうしたの?急に。ヨルはほっぺにしかキスをしないから、唇に触れるのが好きじゃないんだと思ってた」
ヨル「そんなことない。ただちょっと、心に引っかかっていたことがあったんだ。自分の身体が誰のものか、よくわからなかったんだ。……でも、それも取り除かれた」
ベネッサ「……?そうなのね。ヨルを捕らえていたものが何なのか……あたしにはわからないけど、ヨルは今、なんだか穏やかな顔になったと思う。あたしは、それだけで充分だわ。ヨルが見た目よりずっといろんなことを考えてるって、あたし知ってるから」
なんて良い娘(こ)なんだろう、とヨルは思いました。
ヨル「それで……キス、いい?」
ベネッサ「いいわよ、勿論」
ふたりの、本当の意味での初めてのキス。
ベネッサ「これからも、ふたりでやって行きましょう」
ヨル「ベネッサは一流の女優になって、本物のスターになるために」
ベネッサ「ヨルは、このデル・ソル・バレーで……ヨルの本当のおかあさんを捜し出すために」
ふたり「お互いの、目的のために」
ふたりは見つめ合い、手を取り合いました。
その後、ベネッサさんはいくつかのCMに出演するようになり、ヨルは相変わらずアルバイトを掛け持ちしながら、魅力的な笑顔で街を駆けまわるのですが……、ヨルの【本当の母親】とは誰なのか?それがわかった時、物語は新たな局面を迎えるのです。
しかしそのお話は、またの機会に致しましょう。
ともかく、ヨルとベネッサさんの最初の試練は、終わったのでした。
次回はまた、別のお話でお目にかかります。
それでは、今日はこのへんで!
シムはみんな、たくましくて可愛い!
*
今回のポーズ
SSの9枚目、10枚目、11枚目(ベネッサさんとヨル)
以上3枚のポーズは、
よりお借りしました。いつもありがとうございます!
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!
(他のポーズは、自作です……)
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