影のようなきみを見ている

2020年11月21日土曜日

★グリフィンと欠落の姉妹編 マジカル後継者世帯

t f B! P L
こんにちはー。

本日は、また「アーモンドちゃんとグリフィンのお話?」編です。

「高台の邸宅」……ポートランド邸への潜入を試みたグリフィン。しかし、彼が正面玄関のロック解除をするより早く、ふしぎなことが起こりました。

だれも何もしていないのに、鍵がひとりでに開いたのです。グリフィンの魔法が勝手に発動し、彼を邸宅に誘導しようとしているのでしょうか。グリフィンは「溶解した」ドアに飲みこまれ、邸宅に侵入します……。

それでは、本日もまいりましょう!

(最終加筆修正:2023年9月29日)




グリフィン・トワイライトは奇妙なちからに飲まれて、ポートランド邸のドアに引きずりこまれました。

ぶあつい板に体当たりしたはずなのに、ぐんにゃりとした感触がありました。なにかがグリフィンの手首をつかんでいる。ねばねばとした黒いものがグリフィンの全身にまとわりつき、首すじをよじのぼり、喉をつまらせました。

グリフィン「…………!!




三秒半後、彼は前触れもなく、あかるい空間にほうり出されました。呼吸ができる。酸素がかるい。だれもグリフィンの手首をつかんではいない。

さいしょに、落ち着いた色の壁とヘリンボーンの床が目に入りました。
背後には、さっきまで目のまえにあったはずの赤いドア。
見たところ、ポートランド邸の玄関ホールです。

ドアはなんの変哲もない顔で閉じられたまま、そこにあるだけでした。
鍵はかかっていました。

グリフィン(……おれの魔力が、おれを助けるためにおこなったことなのか。ほんとうにそうだと言えるのだろうか)




いつまでも、考えこんでいるわけにはいきません。

グリフィンは聴覚と嗅覚を研ぎ澄まし、アーモンド・ポートランドが邸内のどこにいるのか、感じとろうとしました。かすかな空気の動きに乗って、新鮮な野菜と、スパイスの匂いが流れてきます。トントントン、という包丁の音。

アーモンド・ポートランドは、料理をしているようでした。
機嫌がいいのか、鼻歌をうたう彼女の声が聴こえます。




アーモンド「踊る娘はさらわれた/踊る娘はさらわれた/オオカミに口づけされたのさ/ふたりは遠い霧のなか

グリフィン(古い歌だ)

少女の無防備な鼻歌を聴いてしまったことが、グリフィンに居心地の悪さをもたらしました。

グリフィン(台所を調べるのは、彼女がそこを離れてから。最後にしたほうがいいだろう)




グリフィンは行動を開始しました。

手はじめに、この邸宅にイナ・ポートランドが存在していないかを確かめる。

同時に【イナの遺伝子情報のサンプル】を探し、またはその代替品として【ネモフィラか、アーモンドの遺伝子情報のサンプル】を入手するのです。




邸宅には、物がほとんどありませんでした。
最低限の家具と、ほんのすこしの飾りものがあるだけです。

グリフィン(引越してきたばかりの頃というのは、この状態がふつうだ。姉妹が最近この町にもどってきたというのは、ほんとうらしい)

自身も各地を転々としてきたので、グリフィンにはそういうことがよくわかりました。




玄関ホールには髪一本、砂ひとつぶさえ落ちていませんでした。
アーモンドとネモフィラの掃除は、完璧です。

アーモンド・ポートランドが奥のキッチンから顔を出さないとも限らないので、一階の廊下を進むのはやめて、階段をのぼります。




グリフィン(…………。変わった家だ)

打って変わって、隙間なく絵画が並べられた二階を見て、グリフィンはそういう感想を持ちました。とりあえず目についた「手前のドア」に耳をあて、物音がしないのを確かめます。手袋をはめた手で、ドアノブをまわします。




そこは、寝室でした。

ネモフィラの部屋か、アーモンドの部屋か。
判別するのは、難しくありませんでした。すみのほうに、本が山積みになっています。

グリフィン(アーモンド・ポートランドか。「キャラバンの少女」の最新刊がある)




へちまの化粧水やリップクリーム、日焼け止めが置かれた女性らしいスペースに、グリフィンはまよわず近づきました。

グリフィン(……あった)

ヘアブラシを見つけて、そこに絡まっている髪を抜き取ります。三本ぶんの毛髪を窓からの日差しで透かし見たあと、サンプル用の小瓶に封じます。

グリフィン(茶色の髪。やはりアーモンドだ)

イナもふくめたポートランド三姉妹で、髪が茶色いのはアーモンドひとりです。

グリフィン(それにしても、我ながらひどいおこないだ。おれは自分の名を呪うべきだと思う)




グリフィンはアーモンドの寝室を抜け出し、となりの部屋に向かいました。
ドアを開けると、




そこは、廃墟めいた空き部屋でした。

グリフィン(……なんだ、これは)

おなじ邸宅のなかとは思えない朽ちた匂いに、グリフィンはさすがに戸惑いました。しゃがみこんで、床にほこりが積もっているか調べました。

グリフィン(見た目に反して、ここも掃除は行き届いてる。きょうも掃き清められたのだろう。歩きまわっても、おれの足跡がほこりのうえに残る心配はない)




とつぜん、グリフィンは視線を感じました。

グリフィンの背後……部屋のすみから、だれかが見ているような気がしました。

彼はもちろん、弾かれたように振り返りました。だれもいません。壊れかけたクロゼットがあるだけ。アーモンドが階段をのぼり、ここへ近づいてきたわけでもありません。

グリフィン(…………。使われてない部屋。広くはないし、かつて邸宅のあるじが使っていた私室というわけではないだろう。間取りを考えると、おそらく子どもの部屋だ)

結論にたどり着いて、彼は歯のあいだから息を吐きました。

グリフィン(……家を出るまえに、イナ・ポートランドがいた部屋か)

グリフィンの背後、クロゼットに寄りかかっているだれかが、ひっそりとほほえんだように感じました。


つづきます……!


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(ポーズは、自作です……)

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