本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
前回のお話に引き続き、グリフィンとポーラスターのお屋敷での行動を追いかけます。居室に閉じこもっている従姉妹・レイニーとの面会にこぎつけたふたり。初めて出会うレイニーは「火の粉を浴びたような赤い肌」の持ち主で、火の精霊のような姿をしていました……。
それでは、本日もまいりましょう!
*
グリフィン「言いたくないなら構わない。だが、レイニー。おまえが今その姿(精霊の姿)をしていることには、おれとポーラスターの父……先代当主たるウルハ・エルダーグラスが関わってるんじゃないか?」
射抜くようなグリフィンの視線と質問を受けて、レイニーはオドオドと俯いています。
レイニー「……言えません」
グリフィン「そうか」
今は攻め込む時ではないと見極めていたので、グリフィンはあっさりと引き下がりました。
グリフィン「では、別の話だ。おれの父は、おまえをこの屋敷から追放すると決めてしまった。おまえがそれで文句がないというなら、おれもポーラスターも何も言わない。ただ、おまえが送られる【山の居住区】は、体(てい)のいい監獄区だ。おまえが【行きたくない】と思ってるなら……おれたちは力になる」
レイニーはその申し出に心底驚き、呆然としていました。視線を宙に彷徨わせ、言いたいことをどうしても口に出せないというように、もじもじしています。
レイニー「わたしは……その、わたしは……」
彼女は懸命に、自分の気持ちを言葉にしようと試みているようでした。その瞳が一瞬、若者らしい輝きを帯びました。しかしその光はすぐに弱まり、彼女は顔を伏せました。
レイニー「いえ……わたしは、ウルハ様のご意志に従います……」
グリフィン「…………」
グリフィンは、内気な従姉妹をじっと観察していました。
ポーラスターは心配そうに、けれどグリフィンを信じて見守っています。
お部屋の隅には小動物用のケージがあり、カラカラと回し車のまわる音だけが響いています……。
グリフィン「……何か飼ってるのか」
一度まばたきして、グリフィンは話題を替えました。
レイニー「え……あの、ハリネズミ、です……」
ポーラスター「可愛い……。名前は?」
ポーラスターの声が嬉しそうになり、その明るい響きはお部屋の空気をすこし暖めました。彼女は、とりわけ動物が好きでした。
レイニー「ヘイムダル、です。伯父さまがわたしに与えてくださった子……です」
グリフィン&ポーラスター「…………!」
レイニーが言う「伯父さま」というのは、グリフィンとポーラスターの父親のことです。自分たちの冷酷な父親が誰かにペットをプレゼントするような優しさを見せるなんて、ふたりには信じられないことでした。
ヘイムダル。
神話めいた名前です。
それが「角笛を吹き鳴らして、最後の戦いの始まりを告げる男」の名であることを、グリフィンは頭の隅で思い起こしていました。
レイニー「伯父さまは……優しいです。でもわたしはもう、伯父さまのお役に立てない。だから、お屋敷から【放逐】されるのも……しかたのないことなのです……」
グリフィン「おまえは、それでいいのか?」
機を逃さず、グリフィンが斬り込みました。
彼のなかにある「喰らいつくオオカミのような部分」が、確かに目を覚ましていました。
レイニー「…………」
最後まで、レイニーは何も言いませんでした……。
つづきます!
*
今回のポーズ
SSの1枚目(俯くレイニー)
SSの2枚目(話すグリフィン)
以上2枚は、
よりお借りしました。
SSの8枚目(立っているレイニー、俯瞰)
以上1枚は、
CC.カラフル 様
よりお借りしました。
尚、
SSの3枚目(目を伏せるレイニー)
SSの7枚目(グリフィンの目元、アップ)
以上2枚のポーズは、自作です。
他、沢山のMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
すべてのクリエイター様に、心より感謝しております!
Thanks to all MODS/CC creators and all builders!
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