本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
ロイヤルの試練は、終わりました。彼自身の望まなかった結末だけを残して……。ままならない人生。取り戻せない物。それでも、日常はつづきます……。
それでは、本日もまいりましょう!
*
リノ・ミナキを喪(うしな)って、後悔と悲しみに沈むロイヤル。それでも時間が止まってくれることはなく、彼は【すべてが元に戻った】日常を送っていました。
ロイヤルのそばには今、かつてのようにグリフィンが居て、シャーロッタが居ます。ユキちゃんとも、ぽつぽつと連絡を取り合っています。居ないのは、リノだけ……
シャーロッタ「ロイヤル様?今日は、クラリッサ様が初めておひとりでバスと地下鉄に乗って、ストレンジャービルまで遊びにいらっしゃる日ですよ?」
(クラリッサ・ノーマンは、ロイヤルの一番下の妹です)
シャーロッタにそう言われて、ロイヤルはもそもそと着替えることになりました。この日のロイヤルは、朝からラウンジチェアでぼんやりしていて、まだパジャマめいた恰好(半ズボン)だったのです。
ロイヤル「…………」
着替えの途中で、ロイヤルは自分の背中を確かめました。背中では、いつもと同じように【梟の紋章】が存在感を主張しています。リノ・ミナキが彼女自身の消滅と引き換えに、ロイヤルに受け継がせた魔法陣……この紋章を見るたびに、ロイヤルの心はかきむしられるようでした。
お昼前になると、おうちの前が急に賑やかになりました。小さな一人旅を成功させたクラリッサが、彼女を停留所まで迎えに行っていたグリフィンと一緒に、到着したのです。
クラリッサ「……それでね?同じクラスのレイチェル・クローヴァーは【かぼちゃのほうが強い】って言ったんだけど、お隣の教室のフェイフェイ・リリーが【そんなことない。強いのは砂糖大根に決まってる!】って言ったの。それでね……お兄ちゃん、聞いてる?」
グリフィン「……聞いてる。かぼちゃと砂糖大根の話だ」
こういう時、聴いていないような顔をしながら、ちゃんと聴いているのがグリフィンです。
ロイヤル「クラリッサ、久しぶり!よく来たな!」
クラリッサ「ロイヤルお兄ちゃんだ!」
クラリッサ「お兄ちゃん、シャーロッタ、お邪魔します!あのね、お兄ちゃんたちとシャーロッタに、コレをあげなきゃいけないの……!」
ロイヤル「なんだ?シャーロッタが好きなクッキーと……こっちは、サンドウィッチ?」
クラリッサ「ううん、違うの。この茶色い袋の中身はね、かたまりのお肉!グリフィンお兄ちゃんはショウショク(少食)だから、このお肉をシャーロッタにお料理してもらって、お兄ちゃんに食べさせなさい……って、ポーラスターお姉ちゃんが言ったの!」
クラリッサはポーラスターと一緒に、サンマイシューノで下宿しているのです。
ロイヤル「ははは。グリフィン、形無しだな。それで、こっちのシャツは?」
クラリッサ「それは、ロイヤルお兄ちゃんの分なの!お兄ちゃんはアルバイトを始めたから、シゴトバに通うために新しいお洋服が必要……って、ポーラスターお姉ちゃんが言ったの!」
行き届いていると言えば、あまりにも行き届いているポーラスターの気配りに、ロイヤルは少しばかり、ほろりとさせられました。
ロイヤル「ポーラ姉さんって、意外といろんなこと考えてくれてるよなぁ……。クラリッサをメッセンジャーにして黒子に徹してるけど、今日だって、姉さん自身も遊びに来ればよかったのに!」
グリフィン「……それでは、意味が無いだろう」
クラリッサ「そうなの!今日は、わたしがひとりで旅をする【冒険デー】なの!」
ロイヤル「あ、そっか」
…………。
…………。
その後も、兄妹は穏やかな時間を過ごし……
クラリッサ「地下室?ここには、地下室があるの!?」
グリフィンとロイヤルが借りているこのおうちに、地下室がある。そう知ったクラリッサが、目を輝かせました。
クラリッサ「わたし、地下室を見たいの。だって、わたし地下室って、赤ちゃんの時から一度も見たことが無いんだもん……!」
ロイヤル「え……?ほんとか……?」
森の奥にそびえるノーマン家のお屋敷には、魔窟めいた地下室が、たくさんあったはずでした。ロイヤルを頭のうえに【大きなクエスチョンマーク】をうかべて、考え込んでいました……
つづきます!
*
Thanks to all MOD/CC creators!
(今回のポーズは、すべて自作です……)
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