本日は、また「ヨルの秘密編」ですー。
ヨル・ヘイデン少年は、ベネッサ・チョンさんのルームシェア相手。お仕事が無くなって家賃の心配をするベネッサさんのため、ヨルはフォーゴトン・ホロウの集落を訪ねます……
それでは、本日もまいりましょう!
*
リリス「来たわね、ヨル・ヘイデン。おまえのブラッドの匂いが近づいてくるのを、わたしは13分も前から感じていた」
ヨル「こんにちは。あなたは全然変わらないね、リリス・ヴァトーレ。あなたに相談があって、やってきたんだ」
リリス・ヴァトーレは黙って扉を開け、ヨルを招き入れました。
ヨル「弟さんは?」
リリス「愛する人間(シム)との逢瀬のために、下界へ行ったわ。今日は戻らないでしょう」
ヨル「そう……。ちょっぴり残念だな。弟さんがいらっしゃったなら、あの独特のおしゃべりが聴けると思ったのに」
リリス「用件は何?」
雑談を好まないリリスさんが、高飛車な感じで訊きました。
ヨル「うん。ぼくにはね、あなたの助けが必要なんだ。そして、ぼくの頼みを聞いてくれたなら、あなたにもちょっと得るものがある」
リリス「つまり?」
ヨル「ぼくのブラッドを、あなたに買ってほしいんだ。お金が要るんだ。ぼくの首筋からブラッドを飲む代わりに、いくらかシムオリオンを用意してほしい」
ぶしつけと言えばぶしつけな物言いを、リリスさんが気にした様子はありませんでした。
リリス・ヴァトーレは品定めするように、目をすがめました。ヨルは少しばかり頬を紅潮させて、判定を待っていました。
リリス「……売血なんて、オールドファッションの極みね。おまえ、いくつになったの」
ヨル「19歳。リリスさん、それ、この前ぼくがここに来た日にも訊いたよ。あの時、ぼくは16だった」
リリス「永劫の時を生きるわたしたちにとっては、3年も13年も、そう変わらない。人間は小刻みに年をとる。だから、しげしげと顔を眺めたところでわたしには、人間の年齢はよく分からないのよ」
ヨル「オーケー、わかったよ。……で、頼みを聞いてくれる?」
リリス「そうね……。問題ないわ、19歳なら」
リリス・ヴァトーレは、優雅に手を差しのべました。
リリス「来なさい」
ヨルは緊張気味に、リリスさんの前に立ちました。
ヨル「……シャツを脱いだほうがいい?ブラッドで服が汚れたりしない?」
リリス「心配いらない。わたしは下手なヴァンパイアではない。……力を抜いて、リラックスして」
リリスさんの赤い唇から、鋭い犬歯が覗きました。
ヨル「う……」
生気を抜き取られ、血の気が引くような感覚を覚えながら、少年はヴァンパイアに抱かれて……彼女の【食事】が終わるのを、ただ待っていました……。
つづきます……!
*
今回のポーズ
SSの8~10枚め(リリスさんに吸血されるヨル)
以上3枚のポーズは、
Natalia-Auditore 様
よりお借りしました。ありがとうございます!
(その他のポーズは、自作です……)
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!
にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿