二日にわたって「花粉症ひどいので、ぷち更新」という形でお送りしてまいりました当ブログですが、お陰様で管理人が元気になってきました!ので、本日はまた「ロイヤルと裸足の魔女編」をお送りしたいと思います!
魔女ペシミスティの導きで「魔法の国」にたどり着いたロイヤル。彼はそこで、モーギン・エンバーに出会います。モーギンが魔法使いとして並外れた力量を持つことに気づいたロイヤルは敬意を表し、「梟の刺青」の謎について何か知らないかと尋ねてみますが……?
それでは、本日もまいりましょう!
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※今回、デフォルトシムに対する独自設定が出てきます。ご注意くださいませ。
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モーギン「それについては、別の者から話しましょう。彼の名前は、フローズン・ヒース。ここからは彼が」
ロイヤル坊っちゃんが梟の刺青について尋ねると、モーギン先生はそう言って、一体の妖精を呼び出しました。
フローズン・ヒース「あー、窮屈だった!久しぶりに外に呼び出してもらえて嬉しいよ。やあモーギン、ご紹介ありがとう!こんにちは、ロイヤル・バーンウッド。ボクがフローズン・ヒースだよ!」
ロイヤル「あ、ああ……。こんちわ」
モーギン「ヒース、話は聞いていたね?バーンウッドが知りたがっている魔法の刺青のことについて、きみから説明してやってほしい。あとはすべて任せる。バーンウッド、あなたの先生になるのはぼくではなく、このフローズン・ヒースです。申し訳ないが、ぼくではあなたの役に立つことが出来ない。ぼくはもう行きますが、必要になりさえすればヒースがぼくを呼ぶでしょう。幸運と魔法の祝福が、あなたに味方しますように」
モーギン先生はロイヤルの右手をとり、その手の甲に自分の額をつけて、魔法使い流の古風な挨拶をしました。
ロイヤル「え……あ、うん……」
立ち去る直前、モーギン先生は真実を見定めようとするかのように、ロイヤルの目を見据えました。
モーギン「…………」
しかし彼は、それ以上何も言わず、身を翻して行ってしまいました。
ロイヤル「……なんだろう、急に行っちゃった。おれ、ペシミスティの時とおなじように、自分でも気づかないうちに失礼なことをしてしまったのかな?」
ロイヤルの独り言を、フローズン・ヒースがくるくる回転しながら遮りました。
ロイヤルの独り言を、フローズン・ヒースがくるくる回転しながら遮りました。
フローズン・ヒース「違う、違う!モーギンはそんなに怒りっぽくないよ。彼はただ、魔法について語ることを禁じられているんだ。そういう罰を受けているから」
ロイヤル「?」
フローズン・ヒース「隠すことでもないから言ってしまうけど、モーギンは数か月前、文字通り魔法の国を崩壊させるほどの罪を犯した。彼は元々、魔法の国の三賢者がひとり。原初魔法においては、他に並ぶ者もない。でも、賢者の位はすでに剥奪された。勿論、その罪のうしろには理由があるけど」
フローズン・ヒース「ある時、モーギンは死にかけた魔女の命を救うため、魔法の国に満ちる膨大なエナジーをひとつに集めて凝縮した上で再構成し、生命の源として、その女に注ぎ込むことを思いついたんだ。そんな無謀なこと、モーギン以外の誰にもできない。モーギンはその魔女に優しかった。そして、実行した。魔女は一命をとりとめたけど、そのせいで魔法の国は自らを構成するエナジーのほとんどを失ってしまった。魔法の国は結合を失って、文字通り崩壊をはじめた」
ロイヤル「え……?じゃ、じゃあ、魔法の国が今、こんなふうにあちこち壊れてるのは……」
フローズン・ヒース「あ、それはね、違うの。この国は元々、壊れかけていたんだ。魔法の国は、ゆるやかな滅びの時代を迎えて久しいからね。でもそれを、モーギンがもっとコナゴナに砕いてしまった。今、きみの目に映っている魔法の国は、その千切れた【世界のかけら】をみんなでつなぎ合わせ、縫い留めて元の形にしただけの物……【復元世界】という訳さ」
ロイヤル「救うために、滅ぼした者……」
ロイヤルの目が遠くなり、彼の心は自分の内側の世界にさらわれて行きました。
ロイヤルはこのところ眠りのなかで、モーギンとおなじように【救おうとした結果、滅ぼしかけている】者の夢を見ています。黒衣に身を包んだ男女……リノと呼ばれる女と、彼女が仕える魔法使いの物語です。
フローズン・ヒース「自分の行動がこういう結果をもたらすことを、モーギンが予想していたのかはわからない。モーギンは世界の復元に誰より尽力したし、自分の罪について弁明しなかった。本部はモーギンから賢者の位を剥奪し、それだけでは足りないと思ったのか罰を加えた。モーギンが魔法を研究すること・弟子を教育すること・魔法について語ること……その他諸々、これでもかというほど禁じたんだ。モーギンはあまんじて受け入れている。このうえなく魔法を愛し、魔法に魅入られているシムだから、これらの罰は身体の半分をもぎとられるようにつらいはずだけど」
ロイヤル「…………。きみはモーギンの味方なんだな。世界を滅ぼされたというのに」
坊っちゃんが、尊敬のようなものを滲ませて言いました。
フローズン・ヒース「ボクはあの子を気に入っているからね。さあ、暗い話はここまでにしよう!きみやボクが嘆いたところで、モーギンの運命が好転する訳でもないしね?……きみが知りたいのは【梟の意匠の刺青】について?」
ロイヤル「あ……うん。おれの背中に、急にその刺青が現れたんだ。刺青みたいに見える模様っていうだけで、ほんとに刺青なのかはわからないんだけど。あ、待って。今見せるよ」
(これが、ロイヤルが刺青の存在に気がついた日の様子です……)
フローズン・ヒース「いやいやいや!いいよ、そんなことしなくても!!」
雑な感じで上着を脱ぎ始めたロイヤルに、フローズン・ヒースはあわててそう言いました。妖精は、光の粉を振り撒きながらロイヤルのまわりを二周とびまわって「ふむ」と唸りました。
フローズン・ヒース「きみの【印】は、どうやら魔法陣みたいだね。きみの背中のあたりから、きみ自身の魔力とは違う、変わった波動が放出されてる。見たことのない波形だけど、たぶん魔力の一種だろう」
ロイヤル「まほうじん……?」
フローズン・ヒース「え、魔法陣を知らないのかい?きみは魔法使いだよね……?まぁいいや。魔法陣っていうのは魔法装置を作動させるために描く模様だよ。きみがここ(魔法の国)に来る時に通ったポータルにも、巨大な魔法陣が描かれてたはず。ただ、きみの魔法陣はちょっと特殊みたいだ。この魔法の国に伝わる陣なら、ぼくがすべて判別できるはずなんだけど、きみのはそれらのどれとも違うね?」
つづきます……。
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今回も、多数のMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
すべてのクリエイター様、ビルダー様に、心より感謝しております!
Thanks to all MODS creators and all builders!
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