こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
辿り着いた魔法の国で、モーギン・エンバーと出会ったロイヤル。モーギンの使い魔である妖精、フローズン・ヒースは坊っちゃんに自分のあるじの物語を聴かせたあと「梟の刺青」について語ります。坊っちゃんの背中に現れたその刺青は、魔法陣の一種だと。そして……?

それでは、本日もまいりましょう!




ロイヤルの背中に現れた「梟の刺青」が、魔法陣……つまり、魔法装置の起動キーであることはわかりました。それ以上のことはまだ不明ですが、これは大きな一歩です。

そしてもうひとつ、ロイヤルが知りたかったこと。
それは、フォレスティーナがロイヤルに飲ませていたという、謎のハーブの正体です。ロイヤルの瞳の色(紫色)が濃くなったのは、そのハーブを飲んだ後のこと。瞳が紫色に染まる魔法疾患は、飲食によって他者の魔力を取り込んだ時に発症するものなのです。調べてみる価値は、ありそうでした。

ロイヤルが魔法のハーブについて尋ねると、フローズン・ヒースは「じゃあ、きみを庭園に連れて行ってあげよう!」と、言ってくれました。

ロイヤル「この国、すごいな。どこへ行くにも、時空の門(※坊っちゃんはポータルのことを、勝手にこう呼びます)を通っていくなんて」

フローズン・ヒース「慣れれば便利だよ。ま、百万分の一の確率で、時空の狭間に飛ばされて帰ってこられなくなる、という噂もあるけどね。ははは!」

ロイヤル「え」

フローズン・ヒース「嘘、嘘。魔法使いの子供たちの間に伝わる、ただの怪談だよ!」


ロイヤル「ここか?魔法の庭園って」

フローズン・ヒース「そうさ。今きみの目の前に、綺麗なガラスの籠が見えてるだろう」

ロイヤル「籠?えーと、あの温室のことか?」

フローズン・ヒース「あの籠の中には、現代の世界では既に喪われた植物たちが、ひっそりと守り育てられているんだ。どれも魔力を供給されなければ芽吹くことすら出来ない、魅惑的で脆い生き物さ。この魔法の国に終末が訪れるまで、彼らはここで生き永らえる。あの中に、きみが探しているハーブもあるかもしれない。きみ、目当ての植物の標本かなにかは持っているのかい?」

ロイヤル「あ、うん。確かポケットに……」

坊っちゃんはポケットに手を差し込みましたが、すぐにチッと舌を鳴らしました。坊っちゃんの手には、ボロボロになったブルーベル(にそっくりですが、ブルーベルではないらしいです)の花びらの屑がくっついています。ウィンデンバーグでフォレスティーナのそばにこの花が落ちているのを見た時、坊っちゃんはひそかに拾ってポケットに忍ばせていたのですが……。

ロイヤル「これじゃ、花の元の形もわからないや。あの特徴的な匂いも……うん、感じなくなってるな。しおれて香りまで褪せてしまったみたいだ。でも、探してみるよ」


坊っちゃんはフローズン・ヒースと共に温室のなかに姿を消し、四時間と三十分後に再び出てきました。両手ですっぽりと小さな紫の花を包み、その顔には色濃い疲労の他に、隠しきれない達成感が覗いています。

彼は妖精と共に、本部の図書室に引き返しました。花を包んでいた両手をそっと離すと、花は魔法の国のエナジーから浮力を得て、ふわりと宙に浮かび上がりました。

(SSが見にくいですが、中央付近にお花が一輪浮いています)


フローズン・ヒース「籠(温室)の内部の【植物分類ラベル】が破損したままだったとは知らなかったよ。魔法の国を復元した際の、庭園の修復が不完全だったみたいだね。あとで本部のお偉いさんたちに伝えなきゃ。きみが見つけたこの花の名札も、欠損してて読めたもんじゃなかった。大丈夫なのかい、ロイヤル。きみは、本部の書庫からこの花の名を見つけだすと言った。でもきみ、ここに何万冊の蔵書があるか知らないんだろう?」

ロイヤル「う。言うなよ、おれ、もともと字を読むのは得意じゃないんだから。でも、やる前から諦める訳にはいかないんだ!」

フローズン・ヒース「いいね!その意気だよ!」

ロイヤルはニヤッと笑って、手近な本棚に歩み寄りました。手はじめに、魔法植物の図鑑に指を触れた途端……


ロイヤル「…………」

彼の動きがぴたりと止まりました。図鑑を引き抜こうと書架に手をかけたまま、何も言わなくなってしまいます。彼は一個の彫像のように、ろうそくの火に照らされていました。

フローズン・ヒース「……ロイヤル?どうしたの、ロイヤル、ロイヤル……。…………!!大変だ、返事をしなくなっちゃった。モーギン!来て、何かおかしいよ!モーギン!!

フローズン・ヒースがひときわ大きな声で叫んだ時、ロイヤルがびくりと震えました。坊っちゃんは二度まばたきしたあと、けろっとした顔で振り向きました。

ロイヤル「え……?あ、ごめん。聞いてなかった。ヒース、何か言ったか?」

フローズン・ヒース「もーーー!脅かさないでよ!具合が悪いのかと思っちゃったじゃないか。きみがなんともないなら、それでいいけどさ……」

ロイヤル「ごめんごめん。…………?あれ、でも今おれを呼んだの、ほんとにヒースの声だったかな……。もっと別の、すごく巨大な……」


ロイヤル「……なんだ?急に眠くなってきた……」

フローズン・ヒース「ロイヤル、やっぱり大丈夫?すこし疲れた……?庭園でのハーブ探しを頑張りすぎてしまったかもしれないね。外の空気を吸いに行こうか」


ロイヤルとフローズン・ヒースがやってきたのは、魔法市場でした。
気晴らしがてらお店を覗くことを勧める妖精に、ロイヤルはトロンとした目で頷きますが……


耐えられないというように、噴水のそばのベンチで眠りこんでしまいました。

フローズン・ヒース「ロイヤル……」

心配そうにつぶやいて、フローズン・ヒースは坊っちゃんの頭上をふわふわしています。やがて、強力な魔力が近づいてくる気配があって……


彼が、やってきました。



モーギン「…………。眠ってしまったようだね」

フローズン・ヒース「モーギン、来てくれたのかい?ボクがきみを呼んだ声が、聴こえたんだね」

モーギン「遅れて悪かった。ぼくの妹弟子のペシミスティが、酔ってカウンターを破壊したとかで、グリマーブルックのバーに謝罪しに行っていたんだ」

フローズン・ヒース「きみも苦労するね。ところで、ロイヤルはどうしてしまったんだろう?本部の図書室で調べものをしていた時に、様子がおかしかった。そして、眠くてたまらないと言い出し、あとは見ての通りさ」

モーギン「そう心配する必要はないように見える。おそらく本部の書庫が、バーンウッドにアクセスしたんだろう」

フローズン・ヒース「アクセス?」


モーギン「きみも知っている通り、本部の書庫は生き物のように、ひとつの巨大な意志を持ってる。魔法によって生み出された疑似生命体……司書を兼ねた書庫管理システムだ。システムは必要とされないかぎり眠りについているけれど、バーンウッドが来訪したことに気づいて自動的に目を覚まし、彼の魂に焦がれて手を伸ばしたはず」

フローズン・ヒース「なぜ、そんなことを」

モーギン「遥かな過去の時代の話だ。書庫システムが創造された時代、その計画を率いていたのがノーマン家の者……バーンウッドの祖先だった。魔法界における、その者の輝かしい功績。そして今日、システムはバーンウッドの魂から、自分を生み出した者とおなじブラッドの匂いを嗅ぎ取った。システムに触れられたバーンウッドは、疑似生命体の指先から、書庫に蓄積された膨大な情報を流し込まれたんだ。疲れ果てるのは、あたりまえだよ。でも、身体に害はない。書庫システムは無邪気で優しいから、自分を生んだ者の子孫を害することは無いだろう」

フローズン・ヒース「……あやうい橋を渡るね、きみは」

モーギン「何が」

フローズン・ヒース「きみに与えられた罰のひとつ……【魔法について語ってはならない】。それを破ったとあっては、更なる罰として姿を蛙に変えられたとしても、石像に変えられたのちに粉々に砕かれたとしても、文句は言えなくなる」


モーギン「ヒース。きみがぼくの使い魔であることを、きみは忘れてはならない。ぼくがぼくの使い魔に何を話したところで、本部がうかがい知ることはできないのだからね。ぼくが自宅の壁に向かって魔法の話を聴かせたところで、罰を加えられることがないのと同じだ」

フローズン・ヒース「違うね。きみが言っていることには、意味がない。きみはただ、優しいんだ。書庫システムと同じさ。自分がどんなに泥をかぶったとしても、きみは、きみ以外のシムのために身を削ることをやめないだろう。あの死にかけた魔女を救った時のように、きみはここにいるロイヤルに対しても親身になってるじゃないか。わざわざボクを導き役に任じたりしてね。ボクだってロイヤルのことは好ましく思うけど、正直この少年よりも、きみのほうが何倍も大事だ」

モーギン「……もう行くよ。バーンウッドが目覚めたら、健康状態を確かめてグリマーブルックまで送り届けてやってくれ。グリマーブルックまで戻れば、バス停はそう遠くない。あとは彼が、自分の力で帰るだろう」

フローズン・ヒース「…………」

そうして、魔法の国の夜は更け、星空はまわり、ふたたび光の世界が訪れます。
朝。遠く離れた、ノーマン家のお屋敷では……?


暖炉の火に赤く照らされながら、ロイヤルの兄、グリフィン・トワイライトが電話をかけています。呼び出し音を聞きながら、応答を待っています。

グリフィン「…………。……………………。もしもし」


ハンナ「もしもしー?グリフィン、久しぶり!あんたが電話くれるなんて、すごく珍しいことだね?珍しいっていうか、よく考えなくても初めてだった!どう、元気にしてるー?」

グリフィン「元気だ。急にすまないが、訊きたいことがある」

つづきます!



今回のポーズは、自作(既出のもの)です。

今回も、多数のMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
すべてのクリエイター様、ビルダー様に、心より感謝しております!
Thanks to all MODS creators and all builders!

web拍手 by FC2

にほんブログ村 ゲームブログ ザ・シムズシリーズへ
にほんブログ村

このブログ内を検索

アーカイブ

ラベル

【Terms of Use】 (1) 【あの時ハナシの裏側で】 (4) 【ある日どこかで】 (106) 【サブデータ】 (5) 【プレイ日記】 (88) 【プレイ日記2020】 (157) 【プレイ日記2021】 (28) 【プレイ日記2022】 (16) 【プレイ日記2023】 (33) 【プレイ日記2024】 (24) 【プレイ日記2025】 (13) 【プレイ日記2026】 (2) 【配布物】 (69) 【物語のカケラ】 (26) 【夢想編】 (11) ★ガレ編 (14) ★グリフィンと欠落の姉妹編 (81) ★サンマイシューノの兄弟編 (6) ★ヨルの秘密編 (7) ★ロイヤルと裸足の魔女編 (88) ★幕間きみはここに (14) 31の質問 (1) 31の質問回答編 (2) Britechester (12) CASの話 (36) CC作成メモ (32) MODメモ (34) POSEメモ(自作) (6) POSE置場(自作) (50) SS撮影 (111) StrangerVille (23) いろいろな世帯 (23) ヴァトーレ家 (9) ウィンター家 (21) エンバー家と縁者たち (7) おじガール世帯 (11) カー家 (95) チョン家 (9) ドレス少年世帯 (20) ナカマたちの世帯 (2) バルクリ家 (8) フォーン家 (2) フォーン家(A) (25) フォーン家(B) (22) プレシャス・トゥ・ヒロインズ (37) ベーア家 (60) マジカル後継者世帯 (348) マジカル旅人世帯 (47) マジック賢者世帯 (10) ミナキ家(子) (146) ミナキ家(親) (17) 過去編 (14) 閑話 (49) 御挨拶 (1) 登場人物 (16) 未分類 (24) 目次 (2) 旅人チガヤの二万マイル (2)

シム人気投票やってます

QooQ