こんにちはー。

やきいもとチョコレートばっかり食べてるプレイヤーこと管理人つまり私でございます。
お変わりございませんか?

本日も「お母さんを捜していた若者」ことガレくん編です。この「ガレ編」も佳境に入ってまいりました。ニュークレストの墓地で、物言わぬ母フェリシアナと再会したガレ。彼を見守るソニア。墓地の管理人はガレに、生前のフェリシアナの様子を話します。そして分かった事実。フェリシアナには、小さな娘が居たというのですが……?

(これまでのストーリーの流れは「★ガレ編」のラベルからどうぞ!)

それでは、本日もまいりましょう!




フェリシアナが眠っている墓地の近くに、今もフェリシアナの娘……つまりガレの妹であるストロベリーが暮らしていると、バーソロミューさんは話してくれました。

ガレ「母は、ホテルの隣の小さな家に住んでたそうです。ストロベリーは今もそこで暮らしてる、と。母が亡くなった時、大人たちはストロベリーを引き取ろうとしたけど本人が受け入れず、逃げ回ったり暴れたり噛みついたりで大変だったらしいです。結局、大人たちは彼女の望みをとおした。それで、子供ひとりでホテルの雑用を手伝いながら、家賃を払うという生活をしてるそうです。ここがそのホテルか……」



そして……。


店の前の椅子に、女の子がすわっています。
小さな声で、鼻歌を歌いながら。


ガレ「あの子、かな……?……こんにちは。きみが、ストロベリー・コンテスティ……?」


顔を上げた女の子が、ふっと真顔になりました。

女の子「長い黒髪の男の人……、金色の目をした……」

ガレ「…………」


女の子はふいに口もとを押さえてぴょんと飛び跳ねると、野生動物の機敏さでガレに駆け寄り、彼の手を強く引っぱりました。

女の子「…………!!来て!!」

ガレ「え……?」

女の子「あたしのおうちに来て!いいから早く!」


ガレとソニアが連れてこられたのは、ホテルのすぐ隣に建っている、小さくて汚れた家でした。

女の子「ここが、あたしのおうち。あたしはここで、ママと幸せに暮らしてた。ママが死んでから、おうちはだんだん汚くなっちゃったけど、ここが今でもあたしのお城」

ガレ「…………」




女の子「あたしは確かに、ストロベリー・コンテスティよ。いつか、長い黒髪で金色の目をした男の人が訪ねてきたらこのおうちを見せたいと、小さい頃から思ってたの。今はこんなにボロボロだけど、むかしはフェリシアナが暮らしてた家。いつか会えるって信じてた!あなたがガレ・コンテスティ、フェリシアナが捜してた男の子!あなたがあたしのお兄ちゃん、なのね……!!」




ストロベリー「あたし大人になったら、あなたを捜しに旅に出ようと思ってた!あたしのお兄ちゃんが見つかるまでは、このおうちを守っていようって誓ってた!お兄ちゃんのほうからあたしを見つけに来てくれるなんて、思ってなかった。こんなことが本当に起こるなんて!お姫さまみたいに見つけ出してもらえるなんて……!」

ストロベリーはそう言って、子熊のような大声で泣き出しました。ぽんぽんと背中をたたいてあげるガレの口もとにほほえみが浮かび、その目からひとすじだけ涙が流れました。彼には、彼女の頑張りと、孤独の深さがわかったのです。



そして、出会ったばかりの兄妹は、ボロボロの家の寒さも忘れていろいろな話をしました。それぞれの知る母親が、どんなに優しかったかということ。自分がどんな生い立ちかということ。近所のシムのこと、仕事のこと、毎日のごはんのこと……。



そして……。


ガレとソニアは、ストロベリーを連れてスラニへ戻ってきました。
旅が、終わろうとしています。


ブルーノ「ガレ!よく無事に帰ってきてくれた!」


ガレ「小父さん、心配かけてごめんね。ただいま……」


ストロベリー「こ、こんにちは……!」

ブルーノ「きみがストロベリーだね?ようこそ、きみの新しい家へ」

ガレ「ストロベリーには、今夜はおれの寝床を使わせるよ。おれはダイニングで寝るから。ちょっと待ってて。片付けてくる」

ソニア「あ、わたしも手伝うね?」


そして、長距離移動で疲れたストロベリーはあっというまに眠りに落ち……。
ソニアがそっと見ると、ガレはこれまでの旅のことを、懸命にブルーノに話していました。ソニアはほほえんで、何も言わずに小屋をあとにします。

しかし……。

ガレ「待って!」

ソニア「え……?うわ、ガレくん……!?」



ガレ「ソニアお嬢様、ありがとう。お嬢様のお陰で、おれはひとりじゃありませんでした。本当は、ひとりで母を捜そうと思ってた。でも、ひとりだったら途中で嘆いたかもしれない、諦めたかもしれない。お嬢様がいつもおれのそばに居てくれたから、最後まで歩くことが出来たんです。そうじゃなかったら、おれはあの子を見つけられなかったかもしれない」

ソニアはほほえんで、ガレの背中を手で包みました。

ソニア「わたしは、何もしてないよ?ストロベリーちゃんに出会えたのは、ガレくんとストロベリーちゃんとフェリシアナさんに、強い想いがあったから。そして、ガレくんがすごく頑張ったから。わたしは、ガレくんを誇りに思う」

ガレ「家まで送ります」

ソニア「ううん。今日はストロベリーちゃんのそばに居てあげて?」

ガレは強い想いを込めて、ソニアを見ました。
そして、彼がそんなことをするのは初めてでしたが、ソニアの手をとりました。


ガレは、きゅっと手を握り、心を込めて言いました。

ガレ「おやすみなさい、お嬢様。また明日」

ソニア「おやすみ、ガレくん」

お話は、あともう少しつづきます!



今回も、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました!
すべてのMOD・CCクリエイター様、ビルダー様に心より感謝しております!
Thanks to all MODS creators and builders!


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