今回は、前回更新の続き……「ロイヤルの恋人?編」(仮題)の序章部分をお送りします!
森の奥の泉から遠く離れた結果、体調を崩してしまった「水の精霊」シャーロッタ。彼女を連れて実家の屋敷に帰るついでに、当主としての役目を果たしてくると決めたグリフィン。ロイヤル坊っちゃんだけがお留守番することになって……?
それでは、本日もまいりましょう!
*
秋のさいごの土曜日。
夜が明けないうちから、兄弟の家では全員が身支度を整えていました。
今日は、グリフィンとシャーロッタがノーマン一族のお屋敷に帰る日……ロイヤルの留守番がはじまる日です。
六時半になったら、いっしょに長距離バスに乗るために、ポーラスターがやってくるでしょう。グリフィンやシャーロッタと合流して、バスターミナルに向かうのです。
昨晩はずっと水のなかで眠っていたシャーロッタも、今朝は目を覚ましています。彼女の朝食は、野菜中心のサンドウィッチでした。(※ちなみに、彼女が自分で作りました)
ロイヤルは、さっきから何も言いません。が、ちょっとつまらなそうというか、心許なさそうな顔をしています。彼がダウンジャケットを着ているのは、出かけるつもりなのではなく、単純に部屋が寒いのです。
ロイヤル「…………。……だんぼうが」
ぅわ、喋った。
ロイヤル「うちの暖房が壊れてて、部屋が全然あったまらないんだ。グリフィンもシャーロッタもおれも寒いのは平気なんだけど、さすがにきょうは、ちょっとキツい」
え。
大変、そうなんだ。
今回も、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
すべてのMOD・CCクリエイター様、ビルダー様に、心より感謝しております!
Thanks to all MODS creators and all builders!
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七日間ほど続けて告知させて頂きます。(今日は二日目)
このブログの派出所(?)として、Twitterアカウントを作りました。
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蚕(かいこ)
という名前でやっております。
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よかったら、プレイヤーが見てきましょうか。
屋根裏とか、配管とか、地下水脈とか……。
ロイヤル「ううん、いいんだ。そのうち修理屋を呼ぶから」
そう言ってロイヤルは、
起きたばかりだというのに、またベッドにもぐりこんで、お布団を顔の上まで引き上げてしまいました。むくれ顔を隠すように、壁のほうを向いて。
うーん……。
坊っちゃんはこれまで、グリフィンと離れて過ごしたことがないのです。驚いたことに、ただの一度も。
この留守番は、ロイヤルにとって試練になるかもしれません。
シャーロッタ「……ロイヤル様はきっと、お気持ちを整えたいのだと思います。わたくしたちがいなくても、おひとりでお過ごしになることができるでしょうか……?」
う、うん。
できるとは思うけど、なんというか寂しそう、かも……。
シャーロッタ「日常生活の面では、大丈夫だと思うのです。ロイヤル様はむじゃきですが、見た目よりずっとおとなで、ご自分のことはご自分でお世話できます。グリフィン様とちがって、わたくしが監督しないと食事をしてくださらない、ということもないですし……」
…………。
…………………。
思わぬところでグリフィンに「とばっちり」が来ている気がするのですが。
シャーロッタ「あ!申し訳ございません……。と、とにかく、ロイヤル様は見た目よりずっと頼もしいのです」
シャーロッタ「一方で、あの方がいつもグリフィン様に守られていたことも事実です。ロイヤル様はどんなことであれ、グリフィン様のあとを追いかけるようにして育ちました。グリフィン様の意志から離れて、おひとりで何かをお決めになったことがない。わたくし、今回はそれが気にかかります」
そこまで言ったところで、シャーロッタはふと下を向いて、笑みを洩らしました。
え?
ど、どした?
なんかおもしろかった……?
ロイヤル「いえ、すみません。ロイヤル様はもうおとななんだと思ったら、心配してばかりの自分がおかしくなってしまって。わたくし、いつまでもロイヤル様を赤んぼう扱いしてますね?いまでは、あんなにたくましい男性なのに。わたくしにできるのは、ロイヤル様のご成長を阻害しないこと、かもしれません」
そっか。
うん、そうだね。
そうこうしているうちに、グリフィンが旅の荷物を運び出しはじめました。
わぁ、旅装だね!
ニュースボーイっぽい……
……というか、若干「むかしの新聞記者」みたいになってる、かな?
なんか、過酷な屋外の現場で密着取材してそうに見える、かな?
(※髪はお団子を解いて頭頂で結んで長いポニテにしてるのですが、帽子の中で髪束がつぶれてセミロングを肩に下ろしてるみたいになってる、という設定です)
(※髪はお団子を解いて頭頂で結んで長いポニテにしてるのですが、帽子の中で髪束がつぶれてセミロングを肩に下ろしてるみたいになってる、という設定です)
グリフィン「シャーロッタ、時間だ。いまポーラスターが到着した。表で待ってる。……よせ、おまえが荷物を持つ必要はない」
シャーロッタ「そうは仰っても……グリフィン様だって腕はありませんよ?」
驚いているシャーロッタをよそに、グリフィンはトランクの上にダッフルバッグをふたつ載せました。全部まとめて、引きずって歩くつもりなのです。
わぁ、シャーロッタも可愛い!
ほんとに精霊さんらしい!
グレーの手袋をはめて、防寒も万全です。
シャーロッタ「ふふ……。ありがとうございます」
典雅な礼をしたあとで、シャーロッタはプレイヤーに囁きました。
シャーロッタ「先ほど、わたくしがびっくりしたことをお話ししますね?」
え。なんだろう。
シャーロッタ「グリフィン様は、もしわたくしが今朝になっても回復せず眠ったままだったら、わたくしを肩に担ぎあげてお屋敷まで運ぶつもりだったそうです。わたくしは慌ててお答えしました。【酒樽みたいに肩に担がれて長距離バスに乗りこむのはイヤです】グリフィン様は五秒間考えたあとに仰いました。【確かに、おれがおまえの立場でもイヤだと思う】」
はは。
グリフィンらしい気がする。
シャーロッタ「ふふ……ほんとうに。ほんの少し前まで、グリフィン様を抱きあげて運んでいたのはわたくしのほうだった気がします。時は流れてゆくものですね」
出発の気配に気がついて、ロイヤル坊っちゃんが起きてきました。
布団のなかに籠城して自分の気持ちと向き合った結果、ちょっと落ち着いた模様。
一日をはじめようという気になったらしく、着替えまで済ませました。
ロイヤル「グリフィン、シャーロッタ、忘れ物するなよ?」
グリフィン「ああ」
シャーロッタ「ロイヤル様も、作り置きを食べる時はちゃんと電子レンジを使って、温かいものを召し上がってください。行ってまいります」
いよいよ、出発。
グリフィンとロイヤルは男の子同士のきょうだいなので、別れはあっさりしたものです。
グルフィン「あとは頼む」
ロイヤル「うん。じゃあ」
あんなにロイヤルが【ぐずぐず】したのは何だったのか、と思うほど。
おうちの前庭、太陽が昇る直前の暗がりの中で、ポーラスター・ノーマンが待っていました。
シャーロッタ「ポーラスターお嬢様、お久しぶりです」
ポーラスター「シャーロッタ!よかった、思ったより顔色いいね。バスに乗ったら眠るといいよ。わたし、ネックピロー持ってきてるの!可愛いまくらなんだよ。たぬきのかたちをしてて……あ、グリフィン兄さん、そこにいたなら何か言ってよ。ハイこれ、人数分のバスのチケット。窓口のおばさんが缶コーヒー買いに行っちゃってて、連れもどすのに苦労したんだから!」
グリフィン「おまえの荷物はどうした」
ポーラスター「柵の横に置いてある。あ、ストップ!わたしの荷物までグリフィンが持つ必要はないよ?重くないし、グリフィンがわたしに気を遣う必要はないでしょ?」
通りのほうからバスのエンジン音が聞こえてきて、ロイヤルは気が気ではありません。
ロイヤル「話はあとだ!行って、行って!ポーラ姉さん、ふたりをよろしく!」
ポーラスター「ロイヤル、落ち着いたら連絡するね!じゃ、またね!」
しばしの別れ、という感慨を分かちあう間もありません。
グリフィンたちはバタバタと出発して……
太陽が昇るなか、ロイヤルだけがポツンと取り残されています。
ロイヤル「…………。こんなに静かだったんだな、おれたちの家は」
キッチンの棚のうえには、シャーロッタが坊っちゃんのために置いていった壺があります。
ロイヤル「あんずの砂糖漬けだよ。おれが子どもの頃、好きだった保存食。シャーロッタがいない日もおれが飢え死にしないように、まえから漬け込んでたらしい。彼女がそんな準備をしてたの、おれ、全然知らなかった」
爪の横のささくれをいじりながら、ロイヤルは黙り込んでいました。
それでも一日ははじまり、生活は続いていきます。
ロイヤル「…………。じゃ、バイト行ってくる」
え。
バイトって言った?
坊っちゃん、仕事見つけたんだ。
ロイヤル「うん、短期だけどな。まかない付きのバーの仕事見つけてさ。まかないが付いてれば、ひとり暮らしでもメシには困らないだろ?」
というワケで、ロイヤルの初出勤。
てっきりストレンジャービルのどこかにあるお店かと思いきや、坊っちゃんがやってきたのは、とおくウィンデンバーグのバー。こちらもバスに乗っての到着です。
ロイヤル坊っちゃんは、このお店で雑用をするそうです。
考えてみれば、ロイヤルは二十歳なのだから、お酒を出すお店でも働けるのですね。
ロイヤル「店長に、寒いから上着は着たままでいいって言われた。店長、いい人だよ。制服はシャツ一枚なんだ。おれはエプロンとシャツの間にカイロを仕込んで腕まくりするつもりだった。でも、店長は【健康第一。上着を着ろ】だってさ」
雑用係であるところの坊っちゃんは、フルーツの入った段ボール箱を運んだり、お店の前を掃き清めたり、シンクを綺麗にしたり。
まじめに、ほどよくリラックスして働きます。
知らなかった、坊っちゃんって働き者だったんだ。
謎のノーム(うむ。よく働いておるな、小僧。感心じゃ)
ロイヤルは初日の仕事を難なくこなし、そして午後になりました。
ドアチャイムが賑やかに鳴って、来店したのは、
???「こんにちは、いい天気だね!マスター、もしよかったら、ダーツの練習をさせてもらえますか?」
…………。
……………………?
えーと。
どこかで見たことあるお嬢さんだけど、どなただったかな……。
???「えっ。プレイヤー、忘れちゃった?わたしの顔は見たことあるよね?このウィンデンバーグの真ん中へんにお姉ちゃんと住んでる、ユキ・ベーアだよ!」
え!?
あ、そっか!
そうなんです。プレイヤーがメイクオーバーしたうちの世界のユキちゃんは、いまはこんなお顔立ちをしてるのです!
というわけで、デフォルトシムさんがお話に登場!
つづきます!
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今回も、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
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