こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女」編ですー。
ひょんなことから、その身体が「気体めいた半透明」になってしまったロイヤル。彼はリノ・ミナキ(フォレスティーナ)の身体に吸い込まれ、リノの目で世界を見ることになります。そしてリノは思いがけない言葉を、ユキちゃんに投げかけます……。

それでは、本日もまいりましょう!




リノ「愛しているのですか、ロイヤルを

ユキ「…………!」

リノがユキちゃんに投げかけた言葉は、ロイヤルをも驚かせました。そんな不思議な言葉には初めて触れた、とでもいうように首を傾げ、目をみはります。

…………。

…………。

ユキ「……うん。ロイヤルのことは、好きだよ」

視線を宙に彷徨わせた後、ユキちゃんは俯いて、ポツリと言いました。

ユキ「ただ、愛が何なのか、わたしにはまだわからないから。亡くなったおばあちゃんは、わたしやお姉ちゃんを愛してくれたけど、フォレスティーナが訊いてるのはそういうことじゃないでしょ?わたしにとっては【愛】って、広場の壁画に描かれたハート型のケーキみたいなもの。歓声を上げたくなるほど綺麗で美味しそうだけど、そのかけらを口にすることは決して出来ないし、巨大すぎるの」

賢い少女は、非常に明確な説明をしました。


リノの内側に閉じ込められているロイヤルは、そわそわしています。この話題は、自分が聴くべきじゃないんじゃないか……?そう感じ取ったのです。しかし、ロイヤルがあーあー叫んだところで、手足をじたばたさせたところで、リノの身体から抜け出すことは出来ません。

ユキ「ロイヤルに対して思うのは……街のなかで子供のライオンに出会っちゃった、みたいな、ちょっと奇妙でくすぐったい気持ちだよ。あ、子供なんて言ったら、ロイヤルは怒るかな?ロイヤルはわたしより年上のお兄さんだもん。ふふ……」

リノ「ライオン」


ユキ「うん。本当なら、ウィンデンブルグの街なかにライオンが居るはずはないでしょ?でも、出会ってしまったの。子供のライオンは一見、ありふれたネコのようにも見えるけど、それでもほかの誰とも違ってて、目を惹かれた。……最初は、わたしのほうから声をかけたんだよ?ロイヤルがアルバイトをしているバーで。……もうずっと昔のことみたいに思える」

リノ「…………」


ユキ「はじめのうち、ロイヤルはただの友達のひとりだった。でもだんだん、子供のライオンは迷子になってるんだ……って気づいてきたの。サバンナに帰る道を探して、おなじところをグルグル回ってるみたいに。それを見たら……どうしてもロイヤルの力になりたいって思った」

ユキ「ロイヤルがとても心細そうにしてる時は、手を握りたくなった。ひとりで過ごす夜にはロイヤルのことで頭がいっぱいになって、ストレンジャービルに居る彼のところに飛んでいきたくなることもある。フォレスティーナ、これが……これが、愛なの?


リノはほほえんで、まるで小さな子供にするように、ユキちゃんのこめかみに口づけしました。

ユキ「そして、フォレスティーナ。あなたはロイヤルが連れてきた天使のように、わたしには思える。強くて冷静で、熱い心の天使。……あの雪の夜、あなたがドアを開けた時から、わたしたちの間にはいろんなことがあったけど……わたし、天使はいつまでも、晴れた空を自由に飛んでいてほしい。健康な姿のままで。……そう思ってるよ」

リノ「気性の荒い天使が居たものですね」

チラリと笑いを洩らして、しかししみじみと、リノは言いました。

ユキ「フォレスティーナのことを考える時も、わたしは胸が締めつけられる。あなたの力になりたいと思う。涙が出ることもある。だから……だから、わたしがフォレスティーナに感じてる気持ちも、きっと愛だよ


ユキちゃんのまっすぐな想いに、リノは少なからず心を動かされたようでした。ロイヤルも同じでした。リノのなかで彼は、どこか遠くに、光のようなものを見た気がしました。

リノ・ミナキがそっと、目もとを指で拭いました。

リノ「選ばなければならないこともあります」

ユキ「ふたつの愛の、どちらかを?わたしは、そんなことしない。どっちも手を離さないよ」

リノ「浮気者」

ふたりは笑い合い、ユキちゃんが立ち上がりました。

ユキ「さあ!お皿を片付けなきゃね!フォレスティーナはこんなに美味しいケーキを焼いてくれたんだから、洗い物はわたしの仕事。ちょっと待っててね?」


そんな訳で、食器はシンクに沈められ、ユキちゃんの手は泡だらけになりました。最後の【すすぎ】をしている時、ユキちゃんの手許から、フォークがすべり落ちました。

ユキ「おっ……と」

カン!と音を立てて、フォークが床を跳ねます。ユキちゃんはタオルで適当に手を拭いて、拾うためにしゃがみこみました。

ちょうどその時。
硬いものがこすれ合い、軋む音がして……


ユキちゃんの頭上に積み上げられていた食器(洗う必要のない、清潔なもの)が、傾いていきます。

ロイヤル「ユキ!

ロイヤルの悲鳴は、リノの内側の暗闇に、むなしく霧散しました。
驚いた顔で見上げるユキちゃんに、陶器が雨のように降りそそいでいきます……!

つづきます!


今回のポーズ

SSの3枚目(ロイヤル・イメージ)

以上1枚のポーズは、
新生まるきぶねスローライフ 様
よりお借りしました。いつもありがとうございます!

SSの5枚目(ユキちゃん)6枚目(リノ)

以上2枚のポーズは、自作です。

今回も、たいへん多くのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!

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