存在し得なかった花嫁

2020年7月21日火曜日

【プレイ日記2020】 ★ロイヤルと裸足の魔女編 マジカル後継者世帯

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こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
レイニーの監獄区送りを取り消しに持ち込み、彼女の「自由」を勝ち取ったグリフィン。レイニーは深い感謝を示し、彼女が与えられていたもうひとつの「役目」について話します。レイニーは、じつはロイヤルの婚約者だった、という事実。ロイヤル不在のなか、この微妙な問題について、グリフィンと少女の対話が続きます……!

それでは、本日もまいりましょう!



グリフィン「知ってる。おまえはやがて、ロイヤルの妻になるはずだった

レイニー「……はい」

レイニーはひっそりと、透明な笑みを浮かべました。

弟自身もあずかり知らぬところで進められていた縁談について、弟の婚約者と話すのは……グリフィンにとっても、かなり奇妙な体験でした。確かに感じている居心地の悪さを、彼は持ち前の意志の強さで(あるいは、大雑把さで)無視しました。

グリフィン「……あの婚約の計画を、おまえ自身が了承しているとは知らなかった」


レイニー「はい……。わたしは無知で、無邪気でした。ロイヤル様の妻になるよう、ウルハ様より仰せつかった時……わたしは素直に嬉しかったのです。わたしは幼かった頃、お庭で遊ぶロイヤル様を、カーテンの陰から見ていたことがありましたから。……あの方は、明るくて元気です。わたしには無いものを、あの方は生まれつき備えていらっしゃいます

グリフィン「そう見えるか」


グリフィンが、心持ち柔らかい口調で言いました。

レイニー「はい、見えます。……そんな方の妻になれることを、わたしは喜びました。でも……仮に、わたしの縁談のお相手が、他の方であったとしても……わたしは同じように喜んだと思うのです。たとえば、ロイヤル様のすぐ下の弟君・フェリックス様であったとしても……あるいは、グリフィン様。たとえば、あなた様であったとしても


レイニーは真剣な目をして、自分の前に立つ青年を見つめました。

グリフィン「…………。そうか

どう答えたものかわからず、沈黙したすえに……グリフィンは、面白くもない返事をしました。レイニーが恋愛感情うんぬんの話をしているのではないことは、よくわかっていました。


レイニー「わたしは結局のところ、本家のご子息の妻になることが、嬉しかったのだと思います。わたしにとってはロイヤル様も……グリフィン様、あなた様も、輝かしいお血筋と魔力に恵まれた【王子様】だったのです。……笑わないでください。本当にそう思っていたのです」

グリフィン「愚かだとは思わない」

グリフィンの口調は穏やかで、それ以上に冷静でした。


グリフィン「……この一族のなかではそう見られることがある、という自覚はある」

レイニー「はい……。わたしは、ロイヤル様ご本人とお話ししたこともなく、ロイヤル様を【ひとりの人(シム)】として見ていなかったのです。……そのことに気がついたのは、グリフィン様にお会いしてからです。グリフィン様は、お会いしてみると……お城の王子様というより【闘って、立ち向かう方】でしたから」

グリフィン「そう見えると言われたほうが、安心できる」


レイニー「はい。……王子様(プリンス)への幼い憧れをロイヤル様に着せるのは、ロイヤル様に失礼だと……グリフィン様を拝見して、気がつきました。それだけでも、わたしは大人になれた気がします」

グリフィン「……そうか」


喉に刺さった小骨のように、グリフィンの意識を刺激していることがあります。

ロイヤルとレイニーの結婚話が立ち消えになった背景には【グリフィンを元凶とする、魔力の問題】がある、ということです。ロイヤルの持つ魔力が、グリフィンから吸い取ったものであるということ。つまり、ロイヤルもまた、グリフィンと同じ【呪われた魔力】に汚染されているということ。これが、破談の原因です。レイニーは、そのことを知っているのでしょうか。


レイニー「……どうかなさいましたか?」

グリフィン「いや」

グリフィンさえ居なければ、レイニーは何事もなく、ロイヤルの妻になっていたのでしょうか。もしかしたら、違う未来が存在したのでしょうか。

自分の心のざわめきが一度聴こえてしまうと、耳をふさぐのは難しいことでした。けれど、レイニーに対して謝罪することに意味があるとは、グリフィンには到底思えませんでした。

グリフィン(そうだ。ロイヤル自身も、この縁談については知らされてない。初めから、すべてがいびつな計画だった)


レイニー「わたしが婚約のお話についてこんなことを言ってたと、ロイヤル様には仰らないでくださいね……?あの方は、何もご存知ないのです。重荷になりたくはありません。……あ。でも、グリフィン様には打ち明けてしまって、ご負担になったら申し訳ないのですが……わたし、お礼を申し上げたかったのです。わたしが少しだけ変わることが出来たのは……グリフィン様とポーラスター様のお力によるところですから」


グリフィン「おれは別に構わない。おまえの気持ちを聴けて、よかったと思う」

言えなかったことを言えないまま呑み込んで、グリフィンは【兄の顔】で頷きました……。

つづきます!


今回のポーズ

SSの2枚目(レイニー、花嫁のイメージ)

以上1枚のポーズは、
A-luckyday 様
よりお借りしました。いつもありがとうございます。

(そのほかのポーズは、自作です)

今回も、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/cc creators and all builders!

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