本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
レイニー・クレイフィールドが直面していた危機を取り除き、お屋敷の問題を解決したグリフィン。レイニーは彼への感謝と敬愛を口にします。ふたりは、破談となったレイニーの婚約についても話しました。そして……。
それでは、本日もまいりましょう!
*
グリフィン「じゃあ、おれは行く。昼には屋敷を離れるから、暫く会うことも無いだろう。健康で。……あとでポーラスターが訪ねてくると思う。彼女もおまえに会いたがってた」
レイニーとの会見を終えると、グリフィンはいつも通り、淡々と別れを告げました。
レイニー「はい……。グリフィン様も、どうかお元気で……」
そう言ってほほえんだあと、レイニーはちょっと目を彷徨わせて、口許をふにゃふにゃと動かしました。彼女が何か尋ねたがっていることを、グリフィンは感じ取りました。
グリフィン「何だ」
レイニー「いえ……あの」
少しばかり迷ったようでしたが、レイニーは思い切りをつけるようにして訊きました。
レイニー「ロイヤル様が、グリフィン様をお呼びなのですか?」
グリフィン「…………?」
質問の意味が分からず、グリフィンは眉根を寄せました。
レイニー「グリフィン様は、なんだか……心配事がおありのように見えるのです……。このように急に、お屋敷をお発(た)ちになるのは……外の世界にいらっしゃるロイヤル様が何かお困りで、グリフィン様を呼んでいらっしゃるのですか……?」
正直な感想を言えば、レイニーの指摘の鋭さは、ギョッとするほどでした。それでもグリフィンは表情を変えず、取り繕いもせず、直截的に答えました。
グリフィン「おまえの想像の通りだ」
レイニー「……やっぱり」
グリフィン「なぜ、わかった」
不可解だという口調のグリフィンが、レイニーにはおかしかったようでした。
レイニー「グリフィン様が、ほかの何よりもロイヤル様を想っていらっしゃることは……わたしも知っております。お部屋から出ることのなかったわたしにも聞こえるほど……おふたりの結びつきの強さは有名ですから……」
聡明で控えめなレイニーは、それ以上余計なことを聞き出したり、首を突っ込んだりして、グリフィンの悩みを深めるつもりはないようでした。
レイニー「グリフィン様、ロイヤル様の力になってあげてくださいね……?わたしがこんなことをお願いするのもおかしいのですけど、わたしを助けてくださったのと同じように……グリフィン様が、ロイヤル様の光になりますように……」
グリフィン(おれが、ロイヤルを救う……?)
レイニーの居室を離れてから、グリフィンは、彼女に言われたことを反芻しました。
グリフィン(そうなればいいし、出来る限りのことはしたいと思ってる。だが、情報が少ない。ロイヤル本人にも言ってないことだが、おれが間に合わないという可能性もある。すべてはロイヤル次第だ、という気もする)
お庭に出ると、お屋敷で飼われているカラスたちが騒ぎ出しました。朝焼けのなか、高い声を上げながら、グリフィンの頭上を飛び交っています。
グリフィン「…………?」
???「認められましたな、当主様」
怪訝に思って黒い翼を見上げていると、ちょうどそこに居た庭師……五十年お屋敷に仕えるエーミールが、グリフィンに声を掛けました。
エーミール「翼を持つ使い魔たちが、歓迎の唄を歌っておるんです。あんたを後継者として認めたのですよ、当主様。この森にも、新しい時代が来るのかもしれませんなぁ」
グリフィン「…………。そうか」
人間(シム)以外の生き物に【力】を認められること。そのことには、何か意味があるのではないでしょうか。実際のところ、自分が【認められる】ほどの大人物であるという感覚は、グリフィンにはありませんでした。それでも、興奮して鳴き交わしているカラスたちを見ていると、ある種の感慨はもたらされました。
エーミール「当主様、どちらへ?」
グリフィン「温室に行く。はずしてくれ。ポーラスターが来てるはずだ」
エーミール「仰せの通りに致しましょう……」
ガラスの扉を開けて、グリフィンは妹との待ち合わせ場所に踏み入れました……。
つづきます!
*
(今回のポーズは、すべて自作です)
今回も、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!
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