こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
ひょんなことからリノの身体に取り込まれ、リノの目で世界を見ることになってしまったロイヤル。彼女とユキちゃんの会話を聞いたロイヤルは、ユキちゃんの無垢な想いを知ることになります。しかし直後、洗い物をしていたユキちゃんの頭上に食器の山がくずれ落ちる、という危機が訪れて……

それでは、本日もまいりましょう!




ユキちゃんが床に落ちたフォークを拾おうとした時……彼女の頭上に積み上げられていた食器(洗う必要のない、清潔なもの)が、傾きました。

ロイヤル「ユキ!」

ロイヤルの悲鳴は、リノの内側の暗闇に、むなしく霧散しました。
驚いた顔で見上げるユキちゃんに、陶器が雨のように降りそそいでいきます……!

…………!!

…………!!

きらびやかなまでの破砕音が響きわたり、粉々になった器があたりに散らばりました。ユキちゃんは頭を手で庇いながら、うずくまっています。

ロイヤル「ユキ、ユキ……!」

ロイヤルが必死に呼んでも、ユキちゃんには聞こえません。

ユキちゃんはおそるおそる目を開け、自分の手足を見下ろしました。そして、驚きに目をみはりました。ユキちゃんの身体は、すり傷ひとつ負っていなかったのです。


いつの間にそこに居たのか……、ユキちゃんを守るように、かたわらにリノ(フォレスティーナ)が跪いていました。リノはユキちゃんの頭上に、手をかざしていました。

ユキ「フォレスティーナ!?まさか……!!

自分の代わりに、リノが陶器の雨を浴びたのではないか?そう思って、ユキちゃんは蒼白になりました。しかし、リノはほほえんで首を振りました。

食器がなだれ落ちた時、駆けつけたリノはとっさに、ユキちゃんの頭を手で覆いました。降りそそいだお皿はリノの手に……いいえ、正確にはリノの手から発せられた波動に弾かれました。そして、見えない壁にぶつかったかのように向きを変えて、別の方向に吹き飛んだのです。


リノ「これが……

いつになく低い、不思議な声音で、彼女は言いました。

リノ「これが、わたしのもうひとつの魔力です。盾のチカラ、防御の魔力。このチカラと、空間を飛び越える【紋章】の魔力。ふたつを使い、わたしはあるじを守ってきました。……こちらの世界に来ても役に立つとは、思っていなかったが」

ユキちゃんは吸い込まれるように、リノを見上げています。

リノのなかに閉じ込められているロイヤルは、胸をなでおろしました。同時に、合点がいきました。

以前、ストレンジャービルのロイヤルのおうちに、リノが突然現れたことがあります。そしてロイヤルは、リノと激しく争うことになったのでした。


あの時、ロイヤルが力任せに投げたテーブルは、どういう訳かリノにあたらず、わきのほうへ飛んでいきました。あの闘いの時もまた、彼女は目に見えないチカラを振るっていたのです。

ユキ「あ……ありがとう」


思いがけずナイトに助けられたお姫様のように、ユキちゃんは素直に言いました。リノの手を借りて、立ち上がります。

リノ「……どんなチカラにも、使い道があるものですね。こちらの世界……闘いのない平和な世界では、無用の長物だと思っていました。ユキを守れたなら、まあ良しとしましょう」

いつになく柔らかい表情のリノを感じて、ロイヤルもほほえみました。彼は自分でも気づかぬうちに、声に出して言いました。

ロイヤル「……そうだな。ありがとう、リノ

ぴくり、とリノの肩が動きました。彼女は髪をひるがえして振り返り、お部屋のすみの空間を見つめました。


リノ「ロイヤル?やはり……居るのですか?

ユキ「…………?どうしたの、フォレスティーナ……」

今まで何をしても、ロイヤルがここに居ることに気づいてもらえなかったはずが、リノは唐突に彼を呼びました。そのことに動揺して、ロイヤルは彼女の内側であとずさりしました。

途端に、ばちんっ!という音がして、ロイヤルの頭に、痺れるような衝撃が走りました。目を塞がれたように何も視えなくなり、聴こえなくなり、そして……


気がついた時、ロイヤルは、ストレンジャービルのおうちに戻っていました。

ロイヤル「痛てて……。何だったんだ……?」

一方その頃、ウィンデンブルグの小屋では……


ユキ「フォレスティーナ、ロイヤルがどうかしたの……?」

リノ「……いいえ、なんでもありません」

そう言った彼女の足許には、


彼女が【花の一族】の女である証……彼女から芽吹く「魔力を帯びた花」が、散り敷かれていました……。

つづきます!


今回のポーズ

SSの2枚目(ユキちゃんとリノ、それぞれ)

以上のポーズは、
よりお借りしました。いつもありがとうございます!

SS3~7枚目のポーズは、自作です。

また、今回もたいへん多くのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/CC creators!

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