こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
ついに、兄・グリフィンとの電話越しの再会を果たしたロイヤル。ロイヤルの苦境を把握したグリフィンは、弟のために出来ることをする、と約束します。グリフィンはロイヤルに「明日の朝まで持ちこたえろ」と言い残しました。そして、約束の「翌日の朝」が来ます……。今回は、グリフィンの動向を追いかけます!

それでは、本日もまいりましょう!



グリフィンとロイヤルが電話で話してから、十二時間が経ちました。

時刻は、朝の五時。
どこか遠くの森の、ノーマン家のお屋敷。

その廊下をひたひたと歩く、グリフィン・トワイライトの姿がありました。彼は、レイニー・クレイフィールドのお部屋の前で足を止め、小さく三度ノックしました。

グリフィン「……朝早くすまない。グリフィン・トワイライトだ。起きてるか?」

レイニー「…………。はい。お待ちください……」

身支度を整えている気配がして、まもなく羽織りものを着たレイニーが現れました。


グリフィン「……ポーラスターを連れず、男ひとりで訪ねた不作法については許してくれ。時間がなかった。熟睡してる彼女を起こす苦労は、並じゃない」

きまじめな当主の言いようは、どこかほほえましいものでした。しかしレイニーは笑ったりはせず、小さく頭を下げて、敬意を表しました。


グリフィン「一時間前、長老がたの最終決定が出た」

真新しい書面を見せて、グリフィンはそう言いました。

レイニー「夜中に……?長老様たちは、夜中に協議をされていたのですか……?グリフィン様も、眠っていらっしゃらないのですか……?」

グリフィン「おれのことはいい。それに長老がたは、規律に囚われない【自由の権化】だ。……ともかく、決定を伝える。長老がたは人(シム)の道に従い、……レイニー・クレイフィールド、おまえの監獄区送りを取り消す、という結論に達した。おれはその意志を受け、取り消し命令の書類にサインをした。これが、そのサインだ」

レイニー「…………!」

レイニーは深く息をつき、胸もとで手を握りました。


彼女はグリフィンに、何か礼を述べようとしました。しかし、あまりにも深い安堵と感激のなかでは、言葉が出てきませんでした。かわりに、少女は限りない敬愛を込めて、若い当主を見つめました。

グリフィン「……言葉にする必要はない。伝わってる」

グリフィンが、彼独特の【優しさと、照れの無さ】を発揮して言いました。それでも、フッ……と目を伏せたのはやはり、わずかばかりの気恥ずかしさがあったのでしょうか。


グリフィン「……ともかく、これでおまえは、当面の自由を勝ち取った」

レイニー「勝ち取ったのは、わたしではなく……」

グリフィン「望んだのは、おまえだろう。おまえが望まなければ、おれもポーラスターも、おまえのために何もしなかった。おまえの勝利だ。おまえはこの先、ささやかな自由を手にする。この屋敷に住み続けることをおれは勧めないが、おまえがそうしたいなら、出来るように手伝う」

レイニーは、寂しげに首を振りました。


レイニー「なんとお礼を申し上げたらいいのか……でもわたしには……まだ、わからないのです。自分が何を望み、どう生きたいのか……。ウルハ様のご命令と実験室が、わたしのすべてだったのです。でも……進んでみようと思います。しばらくはこのお部屋で、自分の望みについて考えながら……過ぎ去った日々にお別れを言おうと思います」

前当主の実験体として、大量の薬品を投与されていた日々……かけらほどの自由も与えられなかった日々に対して、レイニーは懐かしむかのような、温かな眼差しを見せました。


レイニー「……グリフィン様?わたしは心の底から、ウルハ様が大好きです」

不意にそう言った顔は、確かに幸せそうでした。

グリフィン「本気とは思えない」

グリフィンが、眉間に深いしわを刻んで言いました。父親であるウルハに対してだけは、彼は人が変わったように(シムが変わったように)辛辣になります。

レイニーは気にしたふうもなく、ほほえみました。

レイニー「本当のことです。わたしの検査の数値が限界を超えて、被験者としてウルハ様のお役に立てなくなったあとも……未来永劫、わたしをこのお屋敷に置いてくださると、あの方は一度は約束してくださったのです。【おまえは将来、わたしの義娘(むすめ)になるのだ】と……あの方は、口癖のように仰いました」

グリフィンは、少女をじっと見つめました。やはり彼女は、あの取り決めを知っていたのです。グリフィンは今、心の奥にトゲが刺さったような痛みを感じています。しかし、その苦さは表情にあらわれず、彼はいつも通りの【射抜くような】口調で言いました。


グリフィン「知ってる。おまえはやがて、ロイヤルの妻になるはずだった

レイニー「……はい」

レイニーはひっそりと、透明な笑みを浮かべました……。

つづきます!

今回のポーズ

SSの8枚め(ロイヤル、イメージ)

以上1枚のポーズは、
よりお借りしました。いつもありがとうございます。

(そのほかのポーズは、自作です)

今回も、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!

web拍手 by FC2

にほんブログ村 ゲームブログ ザ・シムズシリーズへ
にほんブログ村

このブログ内を検索

アーカイブ

シム人気投票やってます

QooQ