手を伸ばせば、そこに

2020年7月16日木曜日

【プレイ日記2020】 ★ロイヤルと裸足の魔女編 マジカル後継者世帯

t f B! P L
こんにちはー。

今回は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
苦境に立たされても「兄の手だけは借りない」と、グリフィンを避け続けてきたロイヤル。しかし、弟を案じるグリフィンの込み入った策略で、ロイヤルはついに、兄との「電話越しの再会」を果たすことになります。そして……?

それでは、本日もまいりましょう!




グリフィン「ロイヤル、おまえの話をしろ。そのために、おれはおまえを捕まえた。おれが居ない間に何がおまえを襲ったのか、そのことを話すんだ」

兄の静かな言葉を、ロイヤルは不思議な思いで聴いていました。

自分の身体の状態をグリフィンに知られたら「おしまいだ」と……ロイヤルはそう信じてきました。グリフィンの手助けを受けてしまったら……いいえ、それどころか、グリフィンの声を聴いてしまっただけで、ひとりで頑張ってきた自分の世界が崩壊する……そのくらいのことを思っていたのです。

けれど今、こうして兄の声に触れると、何故かしらほっとするのでした。


ここで事情を打ち明けてしまえば、グリフィンを遠ざけ続けてきたロイヤルの努力は、水の泡。けれど打ち明けさえすれば、胸のつらさは消えるのかもしれません。

ロイヤルは迷い、躊躇い、一分もの間黙っていました。グリフィンは辛抱強く待っています。ロイヤルの唇がわなないて、苦しみの涙が滲みました。

グリフィン「泣くな」

鼻をすするかすかな音を聞きつけて、グリフィンが無造作に言いました。

ロイヤル「……泣いてない。悔しいだけだ」

グリフィン「ああ」


いつか、子供だった頃……暗い雨の午後のこと。ロイヤルが森の家をとびだして、ひとりで泣いていたことがありました。あの時も、兄は傘を差して、迎えに来てくれました。

掌で乱暴に涙を払うと、ロイヤルの気持ちは定まりました。

ロイヤル「……話すよ、今までのこと

グリフィン「ああ」

ロイヤルは順を追って、彼自身の身に降りかかった出来事を説明しました。

アルバイト先で、ユキちゃんと出会った日のこと。運命のようにリノと引き合わされた、あの不思議な雪の夜のこと。リノがついていたウソ、彼女との闘い、そして和解。ユキちゃんの支え。……そして今、リノは元の世界に還れず、八方塞がりになっていること。ロイヤルもまた、生命の危機にさらされていることなどを。

どのエピソードも、かなり現実離れした話に聞こえるはずですが、グリフィンは一切口を挟まず、最後まで黙って聴いていました。

グリフィン「おれがおまえの力になれるのか、今はまだわからない」

兄はまず、そう釘を刺しました。

ロイヤル「うん」

グリフィン「だが、出来るだけのことはする。とりあえず、明日の朝まで持ちこたえろ。屋敷の問題が決着したら、おれはすぐそちらへ戻る。おまえの魔力がおれの魔力と同質である以上……おまえがおれの魔力を取り込めば、多少の延命は出来るはずだ」

ロイヤル「うん。おれも、そうかもしれないとは思ってた」


グリフィン「頼れ。おれのチカラを利用したところで、おまえの価値が下がる訳じゃない。誇りを傷つけられる、と思ってるかもしれないが」

まさに【ずっと悩み苦しんでいたこと】を言い当てられて、ロイヤルの呼吸がちょっと止まりました。兄はきっと、あの【感情を読み取りにくい無表情】をしているのでしょう。思い浮かべて、ロイヤルはかすかに笑いました。

ロイヤル「……グリフィンには敵わない」

グリフィン「違う。ただ、おれとおまえが、タイプの違う人間(シム)というだけだ


ロイヤル「そうかな……」

ロイヤルの目に、また悩みの涙が滲みます。

グリフィン「ともかく明日の朝、何か助けになるものを、おまえに届ける」

ロイヤル「【届ける】?」

グリフィン「その後おれは、出来れば明日じゅうに屋敷を離れて、おまえの許に行く。おまえも力を尽くせ」

ロイヤル「そうする。……あ


ロイヤルの身体が、またすぅっと【気体めいた半透明】に変わりました。実体を失った手から、携帯電話がすべり落ちました。

グリフィン「どうした」

ロイヤル「……なんでもない」

気体じみた手では、電話を掴んで拾うことも出来ないので、ロイヤルは床のうえの携帯電話に覆いかぶさるようにして、声を送りました。

グリフィン「そうか。じゃあ、もう切る」

ロイヤル「待って……!グリフィン、待ってくれ!


とつぜん心細さに駆られて、ロイヤルは必死に呼びました。

グリフィン「聞いてる」

ロイヤル「……グリフィン。おれ、リノを助けられると思う?おれが生き延びて、リノもこの世界で平和に暮らして、全部がうまく行くと思う?

電話の向こうで、兄は五秒沈黙しました。

グリフィン「救えるものと、掬い切れないものがあると思う。その差を見極めるのは、簡単じゃない。……だから、出来ることをする。明日を待て」


切るぞ、と言い残して、電話は本当にあっさりと切れました。薄情なようにも見えますが、グリフィンは弟を助けるために、何か行動を始めようとしているのです。

ロイヤルは半透明の身体で、床のうえにうずくまりました。短い間にいろいろなことがあって、今はなんだかぐったりしています。けれどついに、彼は兄の手を取ったのです。


ロイヤル「……やっぱり、グリフィンは兄さんだ

ロイヤルはそう言って、笑いました。

つづきます……!


(今回のポーズは、すべて自作です)

今回も、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/CC ceators and all builders!

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