本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
お屋敷での試練を終え、レイニーの許から帰還したグリフィン。次に待ち構える問題は「ロイヤルの苦境」です。グリフィンは、ポーラスターの待つ温室を訪ねます……。
それでは、本日もまいりましょう!
*
グリフィンが温室に入っていくと、ポーラスターはもう来ていて、眠そうな顔で笑いました。
ポーラスター「おはよう、兄さん。時間通りだね。今、六時半」
グリフィン「ああ、おはよう」
ポーラスター「…………」
何か考え込むような顔で、ポーラスターは兄を眺めています。
グリフィン「…………?」
ポーラスター「兄さん。もしかして、明け方わたしを起こしに来た?……四回くらい?」
グリフィン「……ノックはした。回数は憶えてない」
ポーラスター「やっぱりね。それで、あんな夢見たんだわ」
ポーラスターは、おかしそうに苦笑しています。
グリフィン「何の話だ」
そう尋ねるグリフィンはグリフィンで、いつもの無感動な表情です。
ポーラスター「ううん、そんなに面白い話じゃないの。ただ、なんかグリフィンに滅茶苦茶に文句言われてる夢を見ただけ。きっと兄さんがわたしを起こした時、夢と現実が混ざったんだわ。現実でも、兄さんにあんなに怒られたことは無いから、変な感じだった」
夢見が悪かったにしては機嫌の良い顔で、彼女はあっけらかんと話します。
ポーラスター「あ……、でも一度だけあったね?わたしがグリフィンに物凄く叱られたこと。子供の頃、わたしが森の家に遊びに行って……あれ?わたしあの時、どうしてあんなに叱られたんだっけ」
何やらうんうん言っている妹に倣って、グリフィンも自分の記憶の壺をひねくりまわしてみました。が、何も思い浮かばず、結局それを言いました。
グリフィン「……憶えてない」
自分と妹は、朝一番に顔を合わせるなり、いったい何の話をしているのだ?そんな素朴な疑問もあります。
ポーラスター「ま、いいや。兄さんが朝っぱらからわたしを叩き起こそうとしたっていうことは、長老様の会議……結果が出たのね?」
グリフィン「ああ、うまく行った」
ポーラスター「うん。グリフィン、そんな顔してる。レイニーにも伝えた?」
グリフィン「ああ。おまえが起きなかったから、ひとりで行ったが」
グリフィンの口調は皮肉ではなく、簡単に事実を述べただけでした。
ポーラスター「あちゃあ。わたしも行きたかった……!ま、わたしが目を醒まさなかったのがいけないんだけどね。せめて、あとで出発のご挨拶に行ってこよう。……それはそうと、兄さん。はい、これ、頼まれてたボトル。ちょうどさっき、煮沸が終わったところ。で、こっちが薬品ね」
グリフィン「助かる」
ポーラスター「グリフィンから、ロイヤルの苦境を打ち明けられた時はびっくりしたけど……兄さん。ロイヤルなら、必ず大丈夫だよね……?」
気丈な妹は、努めて明るさを保とうとしていました。それでもその口調に、濃い不安が滲みました。
グリフィン「わからない。今はまだ」
ポーラスター「そう言うと思った」
【兄さんの冷静さは、こんな時は胸をえぐる……】
そんな意味を込めて、ポーラスターはほろ苦くほほえみました。
グリフィン「あいつのために出来ることを、やるしかない。……とりあえず、手を貸してくれ」
ポーラスター「はいはい……」
グリフィンはハサミを取り出して、ポーラスターに手渡しました……。
*
一方、ストレンジャービルのおうちでは……
ロイヤル「見つけた……。やっと、見つけた……!」
ひと晩じゅう起きていたロイヤルが、テーブルに突っ伏していました。彼の目の下には、濃いクマがあります。しかし彼は今、疲労よりも、押し寄せる興奮と喜びに身を任せているのでした……。
つづきます!
*
今回のポーズ
SSの1枚目(しゃがむポーラスター)
SSの7枚目(ポーラスター)
SSの8枚め(突っ伏すロイヤル)
以上3枚のポーズは、
よりお借りしました。いつもありがとうございます。
(そのほかのポーズは、自作です)
今回もたくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!
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