本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
お屋敷を追われそうな少女・レイニーを助けるため、グリフィンは「レイニーと、レイニーの母親・レオノーラ」の物語を解明します。一族の者たちからの圧力に敗北し、レイニーを追い出すしかなかった前当主・ウルハ(グリフィンやポーラスターの父親)を、グリフィンは痛烈に批判しました。「実際は、レイニーを救う方策は存在していた」と語るグリフィン。そして……?
それでは、本日もまいりましょう!
*
グリフィン「ここにレオノーラが遺した、もう一通の手紙がある。彼女は二百五十年前に……レイニー、今のおまえを救うための言葉を書いていた」
レイニー「…………!?」
グリフィン・トワイライトは懐から、一冊のファイルを取り出しました。
彼が丁寧にファイルを開くと、中から古びた紙の束が現れました。どの紙も縁(ふち)のあたりが崩れていて、ヒビのような線が入っています。一度はバラバラに千切れた紙片の山を、あとでつなぎ合わせたもののようです。びっしりと文字が書きこまれていますが、インクは古くなり、変色しています。
グリフィン「レオノーラの筆跡に間違いないな?」
グリフィンはそう確認しました。
レイニー「はい……」
グリフィン「こう書いてある。【名高いノーマン家の当主に要求します。わたくしから発生した研究成果については、わたくしの許可なく、一族の外へ持ち出してはなりません】」
グリフィン「【わたくしから発生した研究成果については、わたくしの許可なく廃棄することは出来ません。わたくしとわたくしから発生した研究成果を尊重し、敬意を払うと約束してください。この条件は、あなたの死後はあなたの後継者に、後継者亡きあとはそのまた後継者に引き継がれます。あなたの子孫は、わたくしとわたくしの研究成果に対して、永劫責任を負うものとします。レオノーラ・ノーマン】……日付は、二百五十二年前、春の終わりの日になってる」
グリフィン「レオノーラが研究対象として、ノーマン家当主の管理下に入る時……その契約の条件として提示したものだ」
レイニー「…………」
レイニーは穴が開くほど、書面を見つめていました。再び顔を上げた時、その瞳は「赤んぼうのような、素直な驚き」でいっぱいでした。
レイニー「グリフィン様が、偽造したのですか?」
彼女はびっくり顔のまま、そう訊きました。【あまりにも迫力のある、ものすごい文書】が急に登場したものですから、それが現実に存在するものと思えなかったのです。
グリフィンは……それは、彼が今日このお部屋を訪ねてきてから、初めてのことでしたが……チラリと、笑いのようなものを見せました。
グリフィン「……そんなに器用じゃない。地下金庫のなかの、誰からも忘れ去られたような棚の、そのまた一番奥から、なんとか見つけ出した古文書だ……。経年劣化だと思うが、ビリビリに破れて、紙吹雪の山みたいになってた。ジグソーパズルのようにつなぎ合わせるのは、骨だった」
ポーラスター「グリフィン、話のコシ折って悪いけど」
兄による解説をそれまで黙って聴いていたポーラスターが、百万年ぶりに発言しました。
ポーラスター「話のコシ折って悪いけど、気になってムズムズしてきたから訊くね?この千切れた紙、どうやってつなぎ合わせてあるの……?糊で貼ったようには見えないのに、何十枚もの紙片がくっついて、ぴっちり一枚になってる」
グリフィン「パズルの要領で紙片を並べたあと、おれが魔力を注ぎ込んで【付け】と念じた。そうしたら、くっついた」
ポーラスター「それだけ……?」
グリフィン「それだけだ」
簡単そうに聞こえますが、その実【魔法を発動させる時に考えなければいけないことが多く、制御がとても難しい術】です。そして、いささか乱暴なやり方でもあります。グリフィンの凄腕に、ポーラスターだけでなく、レイニーも静かに驚愕しています……。
グリフィン「ともかく……この文書は大きな助けになる。【わたくしから発生した研究成果については、わたくしの許可なく廃棄することは出来ません】……レイニー、おまえはレオノーラから発生した女だ。ノーマン家の当主は、おまえを廃棄してはならない」
つづきます……!
*
今回のポーズ
SSの2枚目(グリフィン、アップ)
SSの5枚目(グリフィン、手足)
SSの6枚目(ポーラスター、斜め向き)
以上3枚のポーズは、
よりお借りしました。いつもありがとうございます。
SSの1枚目(文書とレイニーの足)
SSの4枚目(レイニー、アオリ)
以上2枚のポーズは、自作です。
今回も、たいへん多くのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
すべてのクリエイター様に、心より感謝しております!
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!
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