本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
天才的でありながら不遇な兄・グリフィンへの劣等感と負い目から、兄を拒絶するロイヤル。彼はひとり迷い、考え、やがて兄への理解を示し……、少しずつ成熟した姿を見せ始めていました。それでも、グリフィンから電話が掛かってくると、肥大化した恐怖によって着信を拒否してしまったりもします。一方、その電話を掛けたグリフィンのほうは、と言うと……?
それでは、本日もまいりましょう!
*
グリフィン「…………」
着信を拒否されたグリフィンは、さして驚いてもいないようでした。
???「そこに居るのは、グリフィン?やっと見つけた……!」
グリフィン「ああ」
ポーラスター「あ、ごめん。電話中だった?」
グリフィン「……いや、もう済んだ。予想はついてた」
ポーラスター「…………?そう?……あ、長老様のカラスが、手紙を持って柵に留まってるよ。兄さん宛だと思う。……すごいよね、目の覚めるような早さでお返事をくださる。兄さんが【爆弾を落とした】会議が終わってから、まだ一時間しか経ってないんだよ?」
グリフィン「長老がたの頭の冴えには、おれも驚く」
グリフィンが長老会議を招集し、お歴々相手に演説をぶちかましたのは、今日のお昼すぎのことでした。議題は勿論「レイニー・クレイフィールドの処遇について」。
こうして会議が解散して、物憂い午後がやってきても……今日の長老様がたにお休みはないでしょう。彼らはグリフィンの提言を吟味し、この若い当主に助言を与え、決定のための道筋を立てるのが仕事です。
今のところグリフィンは、長老がたの意志に従い、彼らの様々な意見から妥協点を見つけ、最終的な【決定】のサインをする……ただそれだけの存在でした。育ちが少々特殊であることも手伝って、当主と言っても、発言力は強くありません。
グリフィン「……カラスだったな、すぐ行く。幸い、長老がたは親父より、だいぶ話が分かる。それを知ることが出来ただけでも、成果はあったと思う。いかにも長老の気質らしい【問答好きな一面】に閉口することもあるが……それは、それだけの話だ」
…………。
…………。
一方、ストレンジャービルのおうちでは……
ロイヤル・バーンウッドが、今日の【調べもの】で使った書物を、片付けようとしていました。そして彼は、困っていました。
ロイヤル「この本さぁ、本棚に戻す訳にはいかないよな?そんなことしたら【もう読み終わった本】と【これから読む本】が、ゴチャゴチャになっちゃうしさ。すみっこに積んでおくしかないかなぁ」
(そんな訳で、地下室に積まれた書物群です……)
【購入したはいいが、読まずに積み上げている本】を、積ん読、と表現することがありますが……読み終えた本を積み上げる場合は、何と言えばよいのでしょうか……?
ロイヤル「…………?」
ふいにロイヤルは、首筋に視線を感じました。
そして、誰かが耳もとで、彼を呼びました。……ロイヤル?
このおうちのなかに、ロイヤル以外、シムの言葉を話す者は居ないはず。
ギョッとして振り向くと……
窓ガラスの向こうに、彼女が立っていました。
ロイヤル「リノ!?なんでそんなところに……え……!?」
ロイヤルが、こんなにも驚いている理由。
ウィンデンブルグに居るはずの彼女が急に姿を現した、という事実もさることながら、一番の問題は、このガラスの向こうが【プールの底】だということでした。
リノ・ミナキは、水のなかに立っているのです。
ロイヤル「…………!?何が起こってる……?」
もっとよく見える位置を探して、ロイヤルは隣のお部屋……プールを通して地上の日差しが差し込む【シャーロッタの私室】に飛び込みました。
リノは変わらずそこに居て、不思議な笑みを浮かべています。
クシャッと頭を掻いて、ロイヤルは呻きました。
ロイヤル「……どんなに謎めいたことが起こっても、もうびっくりすることはないだろうって思ってた。それくらい、おれは今回の事件で、たくさんの不思議に出会ってきた。でもこれは、一番の山場じゃないか……?」
ロイヤルはおそるおそる、ガラスに手を触れました。
その瞬間、ガラスはカッと白い光を放ち……ロイヤルは、自分の身体が宙に浮くのを感じました。彼はガラスを突き抜けて、水のなかへ……彼女のなかへ吸い込まれてゆきます。
ロイヤル「…………!!」
気がつくと。
ロイヤルの身体は、気体めいた【半透明】に変わっていて、
見慣れた場所……【リノの小屋】に浮かんでいたのでした。
つづきます……!
*
今回のポーズは、すべて自作です。
(SSの8枚目と10枚目、リノ)
また、今回もたいへん多くのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!

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