こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
お屋敷から追い出されそうになっている内気な従姉妹・レイニーを救うため、グリフィンとポーラスターは闘いを続けています。対話のためにレイニーのお部屋を訪ね、彼女が淹れたお茶をごちそうになったあと、グリフィンはいよいよ本題に入ります……!

それでは、本日もまいりましょう!




グリフィン「今日おれたちが来たのは、おまえに選んでもらうためだ。おれたちがそれなりの用事をひっさげて訪ねてきたことは、おまえもわかってると思う」

グリフィンはそう前置きして、話を始めました。

グリフィン「レイニー。おまえの本当の意志を確かめないまま進めてすまないが、おれなりに手を打っていた。おまえがそう望むなら、山の居住区……監獄区に行かなくても生きていられるように」

レイニー「…………」

レイニーは元気をなくして、うなだれています。彼女自身が本当はどうしたいのか……その本心を隠す時、彼女はとりわけ大人しくなるようでした。

グリフィン「おまえが、おれの父・ウルハの魔法実験に協力してたことは、既に知ってる」


グリフィン「親父は一時期【シム(人間)に精霊の魔力を宿すことは、可能か】を検証しようと躍起になってた。そして、その実験の被験者に、おまえを選んだ。親父が飼っていた火の精霊の皮膚を薬品に溶いて、五年にわたっておまえに投与し続けた……。おまえの肌が今、火の粉を浴びたように輝いているのは、そのためだ」

レイニー「…………。はい」

レイニーは蚊の鳴くような声で、その事実を認めました。

グリフィン「おまえは他にも、数件の実験のために薬品を投与されてた。おまえが受けていた人体実験が何だったのかは、おまえ自身が一番よくわかってるはずだから、いちいち証拠を挙げて、鼻先に突きつける必要はないだろう。おまえは実験に協力する見返りとして、ノーマン本家の屋敷に住む権利を保障されてた。おまえが屋敷を追われる、本当の理由……それは【おまえの魔力耐性の数値が上限を超え、これ以上被験者を続けることが出来なくなったから】……つまり、おまえは実験で身体を壊した。使い物にならなくなったおまえを、親父は廃棄しようとしてる」


レイニーの顔つきは変わりませんでしたが、その頬をひとすじの涙が流れました。

グリフィンの「真実をえぐるような」口調が、レイニーを傷つけているのではないか……と、ポーラスターは気がかりな様子です。それでも妹は、今はまだ黙って見守っています。

グリフィン「レイニー・クレイフィールド。おれたちは、おまえを助けたい。ポーラスターから提案がある。彼女はサンマイシューノに住んでるが、おまえも森を出て、彼女のところへ来たらいいんじゃないか。……そう言ってる」

レイニーが、弾かれたように顔を上げました。
ポーラスターは従姉妹の目を覗き込み、落ち着いて説明します。


ポーラスター「サンマイシューノは、とんでもない都会なの。いろんなシムが居て、みんな親切だけど、他のシムの事情に立ち入ったりはしない。わたしも住み始めるまでは知らなかったんだけど、都会のシムってそういうものみたい」



ポーラスター「サンマイシューノなら、レイニーが火の精霊のような姿をしていても、気にするシムは誰も居ない。そう言い切れる。あの街なら、あなたは穏やかに暮らせるんじゃないかと思う。勿論、こことは全然違う暮らしになるけれど」

グリフィン「また別の選択もある」

ポーラスターから引き継いで、グリフィンがそう言いました。


グリフィン「当面は、今まで通りこの森で暮らす、という道だ。しばらくこの屋敷の近くで過ごしながら、おまえが望む生き方を見つける、という方法もある。無論、親父には手を出させない。これ以上、おまえの身を道具のように使わせる真似はしない」

レイニー「でも、そんなことは……」

出来るはずがない、というように反論しながら、レイニーは動揺で蒼白になっていました。思いがけない希望を目の前につるされて、かえってうろたえてしまったのです。

グリフィン「カギになるのは、おまえと親父の間で交わされた契約だ」


グリフィン「おまえがどういった契約の許に、この屋敷に住む権利を得たのか……おれはそれを洗い直した。それで、わかった。契約していたのは、おまえ自身じゃない。おまえの母親だ。レオノーラ・ノーマン……そして、レオノーラが契約した相手も、親父自身じゃなかった。彼女は二百五十年前、おれの祖先と契約を結んだ。レオノーラは並外れて長命だった……。レイニー、おまえも親父も、ただその契約を引き継いでいただけだった」

つづきます……!



今回のポーズ
SSの1枚目(グリフィン、アップ)
SSの4枚目(ポーラスター、アップ)

以上2枚のポーズは、
新生まるきぶねスローライフ 様
よりお借りしました。いつもありがとうございます。

また、今回もたいへん多くのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
すべてのクリエイター様に、心より感謝しております!
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!

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