こんにちはー。
現在、当ブログは「長々としたストーリー」をプレイ日記風に連載中です。が、ストーリーのどこから読んでも大丈夫だと思いますので、お気が向きましたら、最新記事からのんびりご覧くださいませ。
(これまでのストーリーは「マジカル旅人世帯」のラベル付き記事からどうぞ)
それでは、本日もまいりましょう!
*
前回、フリーダの話の「前編」ぽかったので、今回は「後編」です。
兄弟の呪いを解く手がかりである【盟主】の行方を求めて、フリーダ・ミナキに会いに来た水の精霊シャーロッタ。フリーダはシャーロッタに「ロイヤルの瞳は今でも紫色のままか?」という不思議な問いかけをし、シャーロッタはそうだと答えるのですが…?
フリーダ「ロイヤルの瞳が、今も紫色…。ということは、わたしたちは、あの兄弟が背負っている呪いの本質を見誤っていた可能性がある……」
シャーロッタ「…………?」
不穏に思いながらも、黙って続きを待つ賢明なシャーロッタに、フリーダはニコッと笑います。
フリーダ「もうひとつ、質問させてちょうだい。グリフィンは今でも、これとおなじ水晶を、肌身離さず持っているかしら?」
シャーロッタ「これは、グリフィン様のジュエル…!」
ティモ「水晶、ですか?随分小さいけど。…………?石の底に『K・M』のイニシアルが彫ってある」
シャーロッタ「…………!グリフィン様のジュエルにも、おなじ文字が彫ってあります…!」
フリーダ「これは、わたしの家…ミナキ家の祖である踊り子『クスク(K)・ミナキ(M)』から伝わる魔法の水晶。クスクの一族は魔法使いを多く輩出し、とりわけクスクの実の兄弟たちは、みな強い魔力を持って生まれた。それゆえ、彼らの一生は厳しいものとなったという話よ。幸か不幸か、クスク自身は兄弟の中で只一人、魔力を持たずに生まれたけどね」
ティモ「クスク・ミナキの兄弟たち…。枝の六人兄弟か…!」
シャーロッタ「えだの…?」
ティモ「遠い昔、強力な魔法を駆使して世界を支え、シムの世界の発展に欠かせなかったといわれる魔法使いたちだよ…」
フリーダ「兄弟の中でもっとも強い魔力を持ち、それゆえ悲劇的な一生を送った長兄ノド・ミナキを救うため、妹のクスクはノドに魔法の水晶を贈った。かつては六つ存在していたという話だけど、現存しているのはここにあるこれと、もうひとつだけ。そのもうひとつを、わたしはグリフィン・トワイライトに譲ったわ。その頃はまだ幼くて、トワイライトの称号を得る前だったけどね。あの子のお父様から手渡してもらったの」
フリーダ「この魔法の水晶は『呪われた魔力を吸収する』という性質を持っている。そして、吸い取れるだけ吸い取ったあとは、黒く変色して炭のようになるの。シャーロッタ、今グリフィンの水晶は、何色をしている?」
シャーロッタ「い、いえ、今の色までは…。グリフィン様はジュエルを懐にしまったまま、滅多にお出しにならないので…」
フリーダ「もし今、グリフィンの水晶が黒く変色しているとすれば、水晶は役目を果たしたことになる。つまり、グリフィンから放出された『呪われた魔力』が、ロイヤルの身体に流れ込むはずだったのを、肩代わりしてくれたということ。ロイヤルの代わりに吸収し、ロイヤルが呪いによってさらに衰弱するのを抑えてくれたということ。…急いだほうがいいわね。呼びましょう。ハンナ!」
ハ、ハンナちゃん!呼んでるよ!
フリーダ「ハンナ!!」
ハンナ「…………。はーーーい!」
よかった…。ハンナちゃんはお砂遊びのスコップを手の中でいじりながら、潮騒荘にもどっていきました…。
フリーダ「今の話、聞こえたわね」
ハンナ「聞いてたよ。あたし、耳がいいからね」
フリーダ「ハンナ。行ってグリフィンに会い、彼が持っている魔法の水晶の様子を見てきてちょうだい。もし黒く変色していたら、ここにあるこの水晶と取り換えてもらって、黒水晶を引き取ってくること。新しい水晶はまたグリフィンの呪われた魔力を吸いはじめ、吸っている間はロイヤルの負担を軽くすることができるわ」
ハンナ「もし、水晶が黒くなってなかったら?」
フリーダ「何もしなくていいわ。兄弟の顔を見て、おしゃべりでもしてきなさい。もし水晶が黒く変色していないのなら、そして今もロイヤルの瞳が紫色のままだというならなら、それは彼らの呪いの質が、わたしたちが思っていたようなものではないという可能性を示している。わたしたちはみな、思い違いをしていたということに」
フリーダの真剣なまなざしを見て、一同に緊張がもたらされます。
シャーロッタがおずおずと口を開きます。
シャーロッタ「あ、あの、わたくしが水晶をご兄弟のもとにお届けします。ハンナさんのお手を煩わせるわけには…」
フリーダ「いいえ、シャーロッタ。あなたには他に行ってほしい場所があるの。さあハンナ、出発の支度を!シャーロッタ、あなたは引き続き【盟主】ヴェルヴェットの手がかりを追うのよ。わたしにはヴェルヴェットが今どこにいるかわからないけど、それを突き止められるかもしれないシムを知っています。このスラニの島姫…チキ・ブーゲンビリア様なら、人魚の霊的なチカラで、ヴェルヴェットの気配をサーチできるかもしれない」
シャーロッタ「…………!!」
潮騒荘のポーチでは、ハンナがティモに、出発の挨拶をしています。
ハンナ「じゃ、ティモ。あたし行くね?」
ティモ「旅先で食べすぎないようにな。おれに言われなくても、歯磨きしろよ?」
手を握られて照れたのか、急におかあさんのような妙なことを言うティモさんです。
行ってしまいました。
室内では、シャーロッタがフリーダに尋ねています。
シャーロッタ「ひとつ教えてください。あなたはずっと前から、あの魔法の水晶で、ひそかにご兄弟を助けてくださっていたのですか?どうして…?」
フリーダ「ふふ。遠くに住んでる兄弟か、甥っ子みたいなものだからよ。世界中のシムは元を辿ればみな兄弟だ、というのと、おなじような意味でね」
シャーロッタ「…………?」
フリーダ「グリフィンとロイヤルを守ってくれてありがとう、シャーロッタ」
*
さあ!こうしてハンナがストレンジャービルに向かい、お話は新たな局面を迎えました。
グリフィン、ロイヤル、待っててねー!
もうすぐハンナちゃんが行くよー!ちょっと素っ頓狂なハンナちゃんが行くよー!
つづきます!
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