寒さのせいか、省エネモードで全然動きたくないプレイヤーこと管理人つまり私でございます。お変わりございませんか?(皆様もご自愛ください……!)
最終章に到達しております「呪いを解くカギを探す兄弟」編……今回も余計な前置きは取っ払って、早速お話にとびこんでみたいと思います!
【最終章・これまでの目次】
第一話 こちらです。
第二話 こちらです。
それでは、本日もまいりましょう!
*
(ヴェルヴェットの話を聴きながら、デル・ソル・バレーの夕日が沈んでいきます)
グリフィン「ノーマン家……今更その名前で呼ばれるとは思わなかった。陽の当たる世界では忘れ去られ、魔法使いからは忌まわしいと指差される名前だ。それを恐れもなく口にできるシムは、魔法界ではあなたひとりだろうな。ヴェルヴェット・ゴールドベル。いや、そもそもヴェルヴェットと呼んで構わないのか?」
ヴェルヴェット「お気遣いなく。わたしは二世として生きている」
グリフィン「おれの魔力は呪われている。それはおれの魂に食い込んで自由を奪うだけでなく、弟の肉体を侵食して寿命を縮めつつある。単刀直入に訊く。おれたちの呪いは、どうしたら解ける?」
ヴェルヴェット「この世界はすべて、法則の通りに動く」
ヴェルヴェット「魔力は『響く』ことが特性であるから、自ら響こうとする魔力の波動を止めることは、誰にもできない。それは、あなたの魔力も同じこと」
ヴェルヴェット「あなたの強大な魔力はやがてあなたの骨肉を侵食し、あなたの魂の扉は閉じて、感情のすべては失われる。あなたは『動かぬ肉体』という檻に、永劫閉じ込められることになるでしょう」
ヴェルヴェット「ただ……どう生きるかを、選ぶことはできる」
グリフィン&ロイヤル「…………?」
ヴェルヴェット「あなた方の先祖、ライオネル・トワイライトは、自身の強すぎる魔力に囚われて、妻と妹をむごく殺した。グリフィン、あなたはライオネルの生涯を自分もまたなぞるのではないかと、心のどこかで恐れているのではない?だが、魂の色を見たところ、あなたはライオネルとは違う」
グリフィン「なぜ、そう言える?」
ヴェルヴェット「わたしが、先代ヴェルヴェットの記憶を受け継いでいるから。先代は、あなた方の父であるウルハ・エルダーグラスと旧知だった。先代はあなた方のことを、あなた方が生まれる前から知っていた」
ヴェルヴェット「グリフィン、ロイヤル。あなた方は影の国を出て、もっと陽の当たる世界で生きていくことができる。あなた方は自らの苦難に激しく打ちのめされるあまり、自分で自分に呪いをかけてしまった」
グリフィン&ロイヤル「…………!?」
ヴェルヴェット「グリフィン、あなたはとても優しい子。あなたが気に掛けているのは、ご自分の未来のことではない。あなたの魔力がロイヤルを傷め、やがてはその命まで滅ぼすかもしれないということに、あなたは何より苦しんできた。そしてロイヤル、あなたはとても正直な子。グリフィンの強い魔力に憧れるのは魔法使いの性だが、あなたは『グリフィンを妬む自分』を許せないほど純粋だった。だから、グリフィンを妬んでいた過去の記憶を閉ざして、贖いのために兄と共に生きる道を選んだ」
ロイヤルの肩が、ぐらりと揺れました。シャーロッタが駆け寄ろうとしましたが、それより早く、グリフィンが弟の腕をつかんで引き起こしていました。
ヴェルヴェット「お茶を飲む?」
ロイヤル「ううん。……いい」
ヴェルヴェット「あなた方は仲のいい兄弟だけど、互いに責任を感じ合っている。むかしの話をしましょう。あなた方自身も忘れている、あなた方のはじまりの物語を」
いよいよ、核心に迫ってきました。
つづきます!
にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿