こんにちはー。
年内の用事が着々と片付きつつあり、胸をなでおろしているプレイヤーこと管理人つまり私でございます。お変わりございませんか?
今回は、昨日の続き……「冬祭りの夜に、カルデラ・キャンプに引っ越してきた男の子」のその後を追いかけてみたいと思います!
男の子は電話で「小父さん」と呼ぶ相手に「明日、そっちに挨拶に行ってもいい?」と訊いていましたが……?
それでは、本日もまいりましょう!
*
季節は冬、木曜の夜。
キーポイントの灯台荘(ミナキ家子世代の家)を、執事ブルーノさんが見回っています。今日の業務は終わったらしく私服姿ですが、姉妹の監督者として、庭の警備は欠かせません。
(撮影の時にプレイヤーが設定を誤って、小屋の屋根が消えております。とほほ)
そこに「小父さん」と、声がして……?
ブルーノ「ガレ!よく来てくれたな!迎えに行ってやれなくてすまなかった。退院手続きは問題なかったようだな。身体の具合はどうだ?ちゃんと食べたかい?荷物はもう運び入れたんだろうね?」
ガレ「心配しないで。なんとかやってる。小父さんのマットレスを陽に当てておいたよ」
そこに、声を聞きつけたコハクが、とことこ出てきました。
ブルーノ「おお、コハクお嬢様!今ちょうど、わたくしの義理の息子がご挨拶に参上しました。顔を見てやってくださいますかな?」
ガレ「コハクお嬢様、こんばんは。夜の時間にごめんなさい。ぼくのこと憶えてる……?わからないかもしれないな、お嬢様はまだちっちゃかったから……」
コハク「ううん、わかる。ガレくんでしょ?大人になっちゃってびっくりしたけど、長くて黒い髪の毛だからわかった。ガレくんの声も、男の人みたいになっちゃったね?」
ガレ「あはは、そうだね。大人になると声は変わる。コハクお嬢様も、美人さんになっててびっくりした」
ひとしきり盛り上がったあと、ちょっぴり遠慮がちなガレをブルーノさんが促して、おうちの中に招き入れます。
ガレ「えーと、その頭の形は、ハンナお嬢様かな……?」
ハンナ「んー?誰……って、聞くまでもないね。ブルーノさんのところのガレだ!ガレ・コンテスティ!!退院してたんだね、おめでとう!前にお見舞行った時より、顔色もずっとよくなった!」
ガレ「ありがとう!まだ通院してるんですけどね。お陰様で最近は、調子いいですよ」
ハンナ「今、どこに住んでるの?」
ガレ「この島の向かい。養父(ブルーノさんのこと)の小屋に間借りしてます。お金が貯まったらアパートか借家を探そうと思ってるけど、まず仕事を見つけなくちゃ。勉強したいこともありますし」
ハンナ「ガレは偉いね。あたしだったら引っ越したあと三週間はゆっくりしたいけど。困ったことがあった時は、よかったらあたしたちに言ってよ。今度、ごはん持っていく。勿論、あんたが嫌じゃなければだけど」
ハンナちゃん(特質「幼稚」持ち)の遊び相手をしてあげているように見えますが、そのハンナちゃんが割とちゃんとしたことを話していて、ギャップに驚きます。
残るは、ソニア姉さまです。
演奏が一段落するのを待って、そっと声を掛けます。
ガレ「ソ……ソニアお嬢様ですよね……?」
ソニア「わあ、ガレくんだー!」
そしてまた「退院したの?」「身体の具合は?」「どこに住んでるの?」などの質問が繰り返されるかと思いきや……、ソニア姉さまはこう言うのです。
ソニア「待って、何も言わなくていいの。ガレくん、あちこちでおなじ話をいっぱいしたと思うから。そのこと、わたしは、ブルーノさんかハンナちゃんに聞きます。ハンナちゃんはああ見えて完ぺきに社会性があるから、ガレくんに聞くべきことは聞いてると思う。だから、わたしがガレくんに訊きたいのは、たったひとつです」
ガレ「…………。はい」
ソニア「むかしみたいに、お薬を飲まずにこっそり捨てたりしてないよね?」
ガレ「はい」
ソニア「ほんとは具合が悪い時に、元気なふりして走り回ったりしてないよね?」
ガレ「はい」
すると、ソニア姉さまはにっこりして……
ソニア「それなら、わたしからガレくんに訊くことは何もないです。おかえり、ガレくん」
ガレ「うん。ただいま帰りました」
ソニア「…………」
ガレ「お嬢様、どうかした……?おれ、変なこと言いましたか……?」
ソニア「ううん。大人になっちゃったんだなぁって思ったの」
(寒そうなので、ガレに上着を着てもらいました)
やがて、ふたりのまわりにファミリーが集まり、楽しく騒いだあとはすっかり夜が更けていました。「じゃ、ぼくは帰ります」と明るく言うガレを、姉妹は引き止めます。
ハンナ「もう深夜すぎるよ、ガレ。ここから小屋までは、泳いで帰らなきゃいけないんだよ?水中用ライト持ってきた?朝が来るまで、ここにいればいいよ」
ソニア「二階に客間があるの。あおちゃん(エヴァーブルーのこと)が使ってた部屋。今は新しいお客様用ベッドが入ってるから、あそこで休むといいよ?」
そんなわけで、客間に押しこまれたガレ。
ガレ「これが普通の家の客間か……。病室とは全然違う。あたりまえだけど」
おやすみ、ガレ。
庭では、姉妹がお話し中です。
ハンナ「ガレがすっかり健康な生命体になってて、びっくりしたし嬉しかった。やっとおうちで暮らせるようになってこれからが本番なんだろうけど、ひとまずよかったよ」
ソニア「うん、そうだね……」
ハンナ「姉さま、何か気になることがある?」
ソニア「うん……。ガレくん、ちょっと無理してないかな……。元々、あんなに明るい男の子じゃなかったよね……?」
ハンナ「あぁ。あれはまぁ、無理してるように見える……かな?もしかしたら、ただ新しい生活に高揚してるだけかもしれないけど。わかった。あたしも気をつけて見ておくことにするね?」
ソニア「あ、コハクちゃんがあんなところで寝ちゃってる。コハクちゃん、起きて?ベッドに行こう?」
そして、朝。
スラニの薄明です。
ガレ・コンテスティの目覚めです。
ガレ「朝一番に海が見えると、病院を出たって実感するな……」
そして彼は、ミナキ姉妹やブルーノさんの顔を見に行くこともなく海に入っていき、アウトリガー・カヌーに乗って、どこかへ去っていきました。
え……?
勿論、つづきます!
*
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